詩集 『天―AME―』
『迷いと葛藤』
心の中を冷たい風が吹き抜ける。
あの眼差しは
あの声は
誰かの叫びだろう。
あの悲しみは
あの苦しみは
いつかの未来に繋がるんだろう。
鏡越しに重ねた手の冷たさは
まだ見ぬ世界の悲しさで
まだわからぬ時代の優しさで
答えなどきっと無いだろう。
迷い込んだ迷路の真ん中で
世界を眺め見て
荒んだ心が露になっていく。
言葉を出しかけ
声が虚空に広がっていく気がした。
一歩前へ
一歩先へ
どこがゴールなんだろう?
どこが終着点だろう?
ただ、前を見ていた。
先に道が広がっている。
まだゴールは出来ない!
作品名:詩集 『天―AME―』 作家名:柳 遊雨