日出づる国
氷河期編
6万5千年前に始まった氷河期は、人類を世界へと旅立たせた。
アフリカ北部から中東、ヨーロッパ、中央アジアは砂漠となり、ヨーロッパ中北部からロシアにかけては氷河、もしくはツンドラ地帯であった。草原・森林地帯は、現在の5分の1程度しかなかったのである。
一方、海面の水位は現在より120メートル低く、日本の陸地は現在の約2倍、北海道からカラフト、シベリアは陸続きになっていた。
10万年前に現生人類はアフリカで誕生し、原人を駆逐し、ネアンデルタール人と交わりつつユーラシア大陸に広がっていった。
そしてこの氷河期に、北アメリカから南アメリカへ、また船の技術を持った者たちはオーストラリアへ生息地を広げていったのである。
氷河期は1万年前に終了したが、まだ氷河期にあった時代のことである。
生きるためには食べなければならない。
この時代に生きる人々の人生もまた
食べ物を得るためにだけ費やされていたといえる。
己が生きるために、子孫を残すために。