私家版 ゆめにっき
08/07/23日の夢メモ
駅員講習に使われ、片腕が見付からなかった人形が、近所に同じ素材の大きな人形が来たと知り、腕を貰いに人に化ける。
親友の通夜に駆け付けた時だった。
会場は襖を取り去ったらしい大きな座敷で、手前の座敷に長テーブルと客、その客に振る舞う料理の数々が乗り、奥の側の座敷には、遺体を乗せた布団と、その布団の両側に向かい合うように並び、寝ずの番に備える遺族達。
置くの部屋には電灯がなく、明かりは遺体の枕元にはその家の習わしだという、魔物避けに点すという蝋燭を置く1メートル程の足の長い燭台に置かれた蝋燭だけだった。
襖の有った筈の場所に膝を揃えて座り、とりあえず遺族に一礼をする。
聞こえた畳を擦る音に一度顔を上げれば、布団からこちらに向き直った影達が一斉に頭を下げる。
明かりの当たる手前と、蝋燭に近い奥側の人間の顔しか見えず、しかもその殆どが今まで知らなかった顔、顔。
元々が豪胆な訳ではない伯父の肝を冷やさせるにはその様子は十分な異様さを孕んでいた。が、
一番奥、固くはにかみながらこちらを見る人懐っこい顔に、彼はどうにかそれを顔に出さずに済んだ。
一番奥、真後ろの蝋燭に照らされた彼女は親友の奥方であり、生前、この親友の自慢の種であった人だった。
横目でふと見た遺体の枕元に座る奥方に眼を向けた。
紙行灯の横で背筋を伸ばし上品に正座する、きっちりと着こなされた喪服の上にちょこんと、狐の頭が乗っていた。
驚いて真っすぐに見返すと、「しぃ」と、柔らかな動作だけで