殺戮の心
[えっ?良いけど・・・殺人鬼相手にちゃん付け?]
[だって呼ぶの困るし・・・それに仲間だってちゃん付けだし♪そう言えば・・・あの仲間達いつ会ったの?]
[さぁ?よくは覚えないが・・・1人だったんじゃないか?戸月も愛ちゃんも風羅ちゃんも・・・私と言う存在にしがみ付き・・・過去を振り払い今ここに居る]
[ふ・・ふぅん・・・何か難しくて分からないけど]
[着いたぞ・・・悪いがここにしばらく居てくれ。気が向いたら殺す・・・]
[う・・うん・・・]
[うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!]
なっ?!誰かが迫って来た?!ドアから入ったのか?!
まったく!!皆は何してるんだ!!
[きゃあああああああああああああ!!]
奈々を捕えた?!人質のつもりか?!
[殺戮の津波はどっちだ?!貴様か?!]
[私・・・だ・・・]
[そうか・・・よくもボスを殺したな!!俺は左腕だ!!]
ボス?・・・あぁ・・昨日の獣使い・・・
そう言えば右腕は出たけど左腕は出て無かったな・・・
[コイツは人質として置く・・・テメェを絶対に殺す!!屈辱的に!!アジトの入り口で待つ!!]
あっ・・・奈々が連れて行かれた・・・
どうするか・・・あのボスの左腕だったらやっぱり殺した方が良いよな?
でも・・・奈々にそれを見せて良いのか?汚れをまだ知らない少女に・・・
[津波!!何か有ったのか?!]
[どうしたんですか?!]
[・・・・・・・・どうしたの?]
[今まで何してた?バカ共がっ!]
[わっ悪い・・・で?何が有った?]
[昨日殺したボスの左腕が、まだ生きてて奈々を仲間と勘違いされ連れて行かれた]
[アイツが・・・で?どうするんだ?このまま左腕を生かす訳にはいかないし]
[分かってる・・・]
見せて良いのか・・・奈々に・・・?
いや・・・別に良いか・・・だって、私は殺戮の津波だから
汚れた私を見せても・・・血塗られた景色を見せても・・・
良いよね・・・?殺戮の津波だから・・・
[今日は・・・1人で行く・・・]
[・・・・・・・・了解]
[無茶しないでください・・・後で迎えにいきます]
[何言ってるの?愛ちゃん・・・殺戮の津波だよ?無茶するなって、無理だよ・・・じゃあ、いってきます♪]
[ひゅう♪1日しか経ってないのに古びたぁ♪家具盗ったからかなぁ♪]
[よく1人でノコノコ来たな・・・仲間はどうした?]
[いらないよ・・・殺したかったかもしれないけど、別に良いでしょ♪アンタが、殺したい奴ランキング№1は私なんだから♪それよりアンタが連れだした奴は?]
[あぁ・・・話を聞けば、貴様の仲間では無いと言うから、頭にきてなぁ・・・そこだ]
[っ・・・痛・・・・]
壁に寄りかかる様に奈々は居た・・・けど、体から血を流してる
おそらくナイフか何かで切られたんだろうけど・・・切り過ぎだな・・・
命もあまり持たないだろう・・・もって数分かな?
[よそ見してる暇・・・ねぇんだよ!!]
[っ・・・不意打ちとは、なかなか捻くれた事やってくれるじゃん♪]
やっぱり武器はナイフだ♪戸月と同じかな?型は違うけど・・・
[殺戮のテメェには言われたくないがな♪]
殺戮・・・かぁ・・・
何だろ?戦いに集中しないといけないのに引っかかる・・・
殺戮の津波・・・当然私の名前のはずなのに・・・
何で、気持ちがモヤモヤするんだろう?
[っ・・・・・殺戮じゃないよぉ・・・]
奈々?!大量出血のくせに何喋ってるんだ?!
それに・・・私が殺戮じゃないって・・・
[殺戮は・・津波ちゃん・・・じゃない・・・・よ・・・・]
[死にかけのくせに・・うるせぇ!!これでくたばりな!!]
[きゃ・・・・・・・]
[っ・・・いっ!]
[っ・・・・?!津波ちゃん?!]
痛てぇ・・・戸月のナイフだったら、もっと痛いかな?
毎回毎回愛ちゃん、皆の武器綺麗にしてくれるしね♪
[何してるんだ?殺戮の津波?こんな関係の無いガキを守って・・・]
[別に・・・アンタの武器を数個借りようと思って♪だから止めただけ♪]
[そ・・そうか・・・・]
[っと!!よっ!!]
[ほらよっ!!残念だったな♪ナイフの投げは上手いが、壁に刺さっただけで俺は空中に逃げられるぞ♪]
[バカだね・・・空中だと自由に動けないじゃん♪じゃあ、この私の拳銃で、もっと空に飛んでください♪]
[っ・・・津波・・ちゃん?]
奈々が見てるが関係ない・・・
殺戮の津波がどんな物なのか分からせないと・・・
[今日は・・・醜い顔の皮を剥がすか・・・]
[何・・してるの・・・?・・・・・・っ!!な・・それ・・・・げほげほっ!!]
[分かったか?これが殺戮の津波だ・・・もう、これでバカな事は発言しないだろ?知ったんだから・・・]
[けほ・・・・・何でこんな事してるの?]
またそれか・・・分からないって言ったはずなのに・・・
なんでまた・・聞くの・・・?
[寂しいの?]
[えっ?]
[寂しいから・・・やってるの?寂しい気持ちなら分かるよ♪同じだから♪寂しかった同士だから仲間ができたんだね♪]
[分からない・・・寂しいなんて・・・分かりたくも・・無い]
[そう・・・でも・・羨ましいなぁ♪私も津波ちゃんと一緒に・・居たかったかも♪殺すのはやだけど・・・で・・も・・・居たかった♪]
[奈々・・・・]
[・・・・・・・・・]
[奈々?・・奈々?!・・・・っ・・死んだのか]
[迎えにきたぞ♪大丈夫か?]
[戸月・・・]
[また怪我してるじゃ無いですか!!風羅ちゃん・・・]
[出血の手当て・・・消毒液・・・包帯・・・]
[ごめん。愛ちゃん・風羅ちゃん・・・ねぇ、皆]
[んっ?]
[皆って・・・1人だったの?会った時の事、覚えてないけど・・・奈々みたいに1人だったの?]
[津波・・・その通りだ。俺は血塗られた家で過ごし・血塗られた衣類を身にまとい・・自分と運命を呪った・・・]
[私は誰も居ない・誰も側に居てくれない・誰も私の事を好いてくれる者は居ない・・・孤独でした]
[・・・・親・・いやだった・・・・津波居なきゃ自殺・・・・してたかも]
[そうか・・・愛ちゃん♪後でこの服洗濯して♪素早く♪]
[良いですけど・・・珍しいですね。いつもは血が付いてる事を気にいって、あまり洗おうとはしなかったのに・・・]
[別に左腕の血は着いてても、良いんだけど・・・奈々の血着いてるかも、しれないから・・ちょっと落としたくて・・・]