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殺戮の心

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[ぐ・・・ぐっ・・・]

哀れだな・・・私なんかに刃向うからだ・・・醜い奴には醜い奴の血がお似合いだ・・・

[終わったか・・・?]

ようやく迎えに来たか・・・我が部下・・・
少々予定より遅い時間帯だったな・・・まぁ良い・・早く帰りたい・・・

[帰るか・・・]



第一話[他人の力]

[ふぅ~・・・疲れたぁ・・・愛ちゃん、ジュース持ってきてぇ♪]

[そのくらい自分でやりなさいよ!]

[え~・・・]

最近、世界中で有名になっている名前が有る

[殺戮の津波]

人を惨く殺し、仲間と共に闇へと姿を消す犯罪者・・それが私の名だ
確かに私は惨い犯罪者・・だけど、人間幾つもの顔が存在する
私も・・表では犯罪者だが・・・
影では・・・

[津波~、頼まれていたアニメ録画して有るぞ]

[サンキュー戸月♪食玩でタブった玩具あげる♪]

[いらねぇよ・・・お前と俺が見るアニメ違うから・・・]

大のアニメ好き・・・オタクって言った方が伝わりやすいかな?
私の部下の1人、戸月もアニメを見るんだけど・・・
私と違って一般的なアニメ見るからねぇ・・・フィギュアとかも買わないし・・・

[趣味の方向は、人それぞれですが・・・そろそろ大量のアニメグッツを、自分で整理してくれませんか?]

[良いじゃん♪愛ちゃんが整理してくれるんだからさ♪それより、お菓子作った?食べたいんだけどぉ♪]

[津波ちゃん!いい加減に掃除してください!・・・まぁ今日はクッキーを作って、有りますけど・・・]

[わーい♪やったー♪]

私の部下の1人、愛ちゃんは本当に、お菓子作りが最高なんだよね♪
毎回毎回帰って来る楽しみの1つなんだ♪

[・・・・・・誰か・・来たよ・・・]

私の部下の1人、風羅ちゃん。見た感じ、暗いかもしれないけど・・・
でもパソコンで計算して殺害の計画を、まとめたりするのは彼女の仕事♪
・・・って誰か来たって?

[すいません・・・殺戮の津波さんは・・・]

ドアから現れたのは、どこかの中年サラリーマンの姿をした男性だった・・・

[殺戮の津波は、私だけど・・・?]

[お願いします!アイツのせいで・・・娘が・・・]

[・・・・復讐?]

[は・・い・・・でも・・・]

[はぁ・・・こう言うのが多くて困るなぁ・・・戸月、代わりに行って]

[なっ・・・どうして・・・]

[津波が言うから仕方ない・・・俺でも殺すのに不足は無いはず・・・行くぞ]

[はい・・・・]

戸月が男性を連れて去って行く・・・男性は不満だったようだが私が出る程では無い・・・
復讐・・そんな物くだらない・・・
亡くした者の心を引き継いだとか、よく言うがそんな事は無い・・・
ただ自分の憂さ晴らし・・その者や自分を救えなかった後悔がバカな形に変わっただけ・・・
そんなバカ騒ぎ私は関わりたくない・・・

[なるほどね・・・はい♪仕方ないからジュース]

[サンキュー♪]





あれから・・・・数時間が経ったが戸月が帰って来ない
アイツの事だから任せても平気かと思っていたけど・・・

[つ・・津波ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!]

[戸月!!この・・バカが!!]

[ゲフッ!な・・何で殴るんだよ!!]

[せっかく携帯に萌えキャラのリンちゃんの声、録音していた最中なのに!大声のせいでやり直しになったよ!!]

[そこかよ!!でも津波!!それ所じゃないんだよ!!]

[はぁ?]

どうやら戸月の話によると依頼者の恨んでいた人と
口封じのために死んでもらった依頼者を殺したまでは良かったけど・・・
その人の裏に凶悪な極道が居たらしく・・・
人数の多さに戸月1人じゃ無理なようだ・・・・

[人数の多さで負けを認めるなんてバカじゃない?]

[うっ・・・すいません・・・]

[まぁ良いよ・・・戸月が居ない間にメシ食ったし、飲んだし、遊んだし・・・退屈してたから・・いっちょ、やりますか♪]





[ここが・・・極道のアジト?]

何か、どもかしこも新品で羨ましいなぁ・・・
仕事終わったら新品の家具いくつか盗ろうかな?

[それは自分で片付けられたらにしてください]

愛ちゃんの説教は流してっと・・・

[お前等よくも、あのボスの右腕を殺したなぁ!!]

[あー・・・ボスの右腕だったの?戸月で済んじゃったなら、あんまし強くないんでしょ?て、事はここのボスも弱い?]

[なっ・・ボスを侮辱してるんじゃねぇ!!]

おーおー迫って来た♪戸月・愛ちゃん・風羅ちゃんは、それぞれの武器のナイフ・名刀[森鎖]・仕込み入り傘を用意し始める・・・
私も拳銃の弾を確認しないと・・・よしっ♪入ってるからイケる♪

[よっ・・ほっ!]

[ぐぎゃ!・・がっ・・・]

[がぁぁ!!]

[ぐ・・が・・・・]

死ぬたびに死に声あげるなんてバカらしいなぁ・・・
まぁ、結構良い響きだから良いけどぁ♪

[津波!!手ぇ抜いて、適当に殺してるんじゃねぇよ!!]

[え~・・・だってコイツ等みたいな奴相手だと、すぐ死んじゃうよ?そんなの殺戮じゃないよ]

[妙な所にこだわりますね・・・]

[それが・・・津波・・・]

[風羅ちゃん正解♪じゃあ私ボス殺してくるから、下僕達の殺害と内臓取り出しよろしくね♪

[下っ端を下僕と言わない方が・・・]

[それに俺達は内臓取り出しなんて絶対嫌だから、お前後でやれよ]

[ちぇ・・・]





[さて・・・簡単にボスの所に着いちゃったなぁ]

[貴様が・・・殺戮の津波・・・]

[うん♪アンタは私達の存在に近づきすぎたから死んでね♪]

相手は強力な存在なのに下っ端に右腕・・・弱い奴ばっかり♪
なんでコイツが強力なんだろ・・・力弱かったら、力じゃなくて財力かな?

[力だ・・・しかし、俺は直接手を下さない]

[えっ?]

[ガウッ!!]

[ちょっ!!犬?!]

ギリギリかわせて良かった・・・結構、牙とか強そうだなぁ・・・
なるほどねぇ・・・自分の力じゃ無くワンちゃん(獣)の力を使って上に昇りつめたのか・・・

[コイツはとても凶暴でなぁ・・・君のような可愛らしい女の子の、腕なんか簡単に引きちぎる事が出来る]

[そぅ・・・なんだ・・・]

[グルルル・・・ガウッ!!バウッ!!]

[っ!!]

ちっ・・・なんとか避けてるけど、素早さ・力・瞬発・・・どれを取っても人間より上・・・
さて・・・このやっかいなワンちゃんをどうやって躾けようかな?

[よし・・・噛み砕け、イオン・・・]

イオン?このワンちゃん(獣)の名前?なんか妙にカッコイイ名前付けるなぁ・・・
めんどうだから[太郎]とか[ポチ]で良いじゃん

[ガァウ!!]

[っ・・・くっ!!]

[ガウッ?!]

[ほう・・・イオンが噛みついた瞬間、発砲したか・・・なかなかやるなぁ♪しかし、イオンは拳銃から漂う火薬の臭いに気づき、離れたから当たりもしない・・・それに、その大量の出血でどう戦う?]

危ねぇ・・・瞬発的に撃ってなきゃ私の腕の骨、粉々だったな・・・
確かに相手の言うとおりヤバいかもしれないけど、噛まれた腕は手首も指も動くし・・・

[動くから・・・別に関係無い♪]
作品名:殺戮の心 作家名:satin