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ドードー鳥のウィンク―ハローグッバイ―

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ドードー鳥のウィンク   ―ハローグッバイ― 

――――何かとても大事なことっていうのは、
その瞬間は気づかないもの。
どうしようもなく、真っ直ぐで、純粋な感情。
胸が苦しくて…、だけれど、そばにいるだけでうれしくて。
今思えば……あれは私の初恋だったのかもしれない。――――


今日も下河第二小学校に景気の良いアナウンスが流れる。
「五年三組、茜谷彩子、職員室に来なさい。至急来なさい、
今すぐ来なさい。以上!」
和田先生のハキハキとした声がスピーカーから聞こえた。
どうやら今日も私は職員室に向かわないといけないらしい。
「行ってらっしゃい常連さん」
冴はにやっと笑う。
「今日はお説教短いといいね」
沙織は心配そうな顔をして私を見る。
「うっさい冴、ありがと沙織。はぁ、それじゃあ行ってくるね」
溜息をついて、私は職員室に向かった。

そして私は今日も校内放送で、あの職員室という名の説教部屋に呼び出された。

しかし、今回は今までとはちょっと違った。
怒られるのではなく、ある事を頼まれたのだ。

「森下優一君の友達になってほしいの」
担任の和田先生はにんまり笑ってにそう言った。
てっきり昨日、サッカーボールでガラスをぶち破ったことでお説教を食らうと身構えていた私は、その意味不明な要求に拍子ぬけしてしまった。
「ほら、森下君ってあまりクラスに馴染めてないじゃない。
仲良くしてあげてくれない?」
一瞬思考が停止した。えっと、森下君。……ああ、あのいつも眠そうにしてる彼か。私はほとんど彼と接点がないし、話す話題も浮かばない。
クラスで一番謎な人物だ。正直、仲良くなれる気がしない。
和田先生は何を考えているんだろう。
「友達って、なろうと思ってなれるものなんですか? 
というかなんで私なんです?」
「多分、他の人には無理だと思うわ。これはね、きっとあなたにしかできないことなの。」
和田先生は急に真面目な顔でそう言った。
冗談で言ってるわけじゃない事が分った。
「どうしてですか?」
「教師の勘ってやつね」
「勘って、先生真面目に答えてくださいよ」
「あら?私はいつも真面目よ〜」
「……それにこういうのって、先生がやった方がいいんじゃないんですか?」