僕らのLOVE STYLE・・・14
今年の学祭は?
次の日のHRで議題にあがったのは学祭の催し物についてだった。去年は一年生ということもあり、お化け屋敷的なもので終わらせた誉のクラスだったが、二年にもなると去年の学祭を参考にいろいろな案が出された。
最終的に3つの案にまとまったが、どれも迷う案だった。
「喫茶店に決定するのはどう?」
クラスの副委員が提案した。
「普通の喫茶店じゃつまんないし、今流行ってる執事喫茶にするっていうのもおもしろいんじゃないかな?」
すると一気にまわりから賛成の意見が飛び交った。男子校での執事喫茶・・・多数の女子が来るのは間違いないだろうという考えだ。
「執事だけじゃつまんないし、メイドも加えるか?」
委員長の視線が誉に注いだ。委員長の意する事はクラス中がわかっている。
「そうだな。誉は執事っていうよりメイドの方が似合うだろ?」
「メイド喫茶だって流行ってんだし、両方一気にかっさらうか!」
こうして30人の生徒のうち、裏方キッチン担当10名、執事担当7名、メイド担当5名、宣伝担当5名、委員長と副委員長、会計は除外されるが、当日担当はすんなり決まった。
「今年は案外簡単に決まったもんだね?去年は本当に大変だったのに・・・。ま、先生は買い出しとかに付き合うから、みんなで協力して学祭までがんばってくれな」
自由な校風の天羽はが草も先生が手を出す事もないので、生徒たちの自由な発想で学祭も行われる。あまりにも常識はずれな事以外は自由だったので、この執事メイド喫茶も簡単に生徒会の許可が下りた。・・・というより、生徒会次期会長の一樹が、半ば無理矢理書類を通した事実は誰も知らない。
作品名:僕らのLOVE STYLE・・・14 作家名:沖田晴