小人さんと13番
机の上の小人は上目遣いで少し体をもじもじさせながら安藤を見上げていた。
「・・・っ!」
(なっ、何でこんなにかわいいの・・・!)
安藤は胸の奥底から湧き上がる何か(母性本能、あるいは『萌え』とでもいうのだろうか)に耐えられず顔を一瞬背けて一息ついてから意を決したかのように小人に向かって言った。
「駄目じゃないよ!」
「ほんとなのか!」
ぱぁっと輝いた小人の顔をみて安藤は先程までの別の考えをふっ飛ばし小人に対する愛護の気持ちから自然と笑みが浮かぶ。
「じゃ、決まりだね」
少年もにこりと笑う。
(今年は予定が埋まった・・・!)
少年は今年はクリスマスに家にいて家族から「彼女の一人もいないの」と取りあえずは笑われなくてすむと思うと気が楽になったのだった。
【つづく...!?】