小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ツインテール探偵くるみの密室

INDEX|9ページ/21ページ|

次のページ前のページ
 


 栞さんと一緒に廊下に出た。くるみの言いつけで、現場はそのままだ。しかし、傘が見当たらない。

 栞さんが事務所のドアを上から下まで観察していた。
「見て」
 ドアの下に5cmくらい隙間があった。
「もっと狭かったと思ったけど」
「スノコに隠れていたのね」
「予告状は下から入れたんでしょうか?」
「テーブルの上にあったでしょ」
「そっか」
「上も少し隙間があるね。ワトくん、予告状を入れてみて」
 試してみたが、室内のドア近くに落ちただけだった。

「なにしてるの?」
 くるみがやって来た。俺が傘の話をすると、
「くるみがドジやったんだろ、って思ってるでしょ」
 自覚はあるようだ。
「今朝あっただろ、傘立てに」
「え? あれのこと」
 歩美の傘と思って校舎に持って行ったらしい。

「ごめんなさい」
 と、くるみが小さな声で謝った。
「気にしないで。どうせ捨てるつもりだったの」
「歩美に連絡したら、あとで返しに来るって」
「それより、今朝の事件をもっと聞かせて」
 と、栞さんが言った。