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ツインテール探偵くるみの密室

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「証拠はあるんですか?」
 歩美が訊いた。
「状況証拠だけじゃだめ?」
「だめです」
「トリックに使った傘がどこかにあるんじゃないですか?」
「木の葉を隠すには森の中ってことね」
 今日は傘がたくさんある。どこかの傘立てにあるのだろう。
「壊れた傘があってもわたしがやったという証拠にはならないでしょ」
「わたしのだと聞いて、どうして新品に替えてくれたの?」
 ボロボロにしたのを返すわけにはいかない。
「くるみが間違えて持って行かなければ、余計なことせずに済んだかもね」
 栞さんがそう言うと、歩美がため息をついた。
「わかりました。今回は引き分けでいいです」
「引き分けぇ。どうしてよぉ」
 唇を尖らせていた。
「わたしはくるみと勝負してるんです。栞さんが当てたときは引き分けです」
 永遠に引き分けが続くだろう。

「気になるのは、予告状の内容ね」
 ミステリーハウスをいただくとあったが、重機を使うとは思えない。
「生徒会長にでもなるつもり?」
 栞さんが訊いた。
「よくお分かりですね」
 生徒会長の提案として、プレハブを壊して、園芸部の花壇にするらしい。
「横暴じゃない?」
「ここに関する苦情は色々来てますよ」
 そういい残して、歩美は出て行った。
「歩美が生徒会長に選ばれないことを祈りましょ」
 栞さんが肩をすくめた。

 しかし、数日後。海東歩美は葉桜学園の生徒会長になった。

 こうして、新たなる問題を抱えて『二重密室予告状事件』の幕は降りたのだった。