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プライベート・ライアン

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プライべート・ライアン



スピルバーグが一皮向けたのはこの映画じゃないか。
お子様映画の定番だったのが「シンドラーのリスト」で
アカデミー賞とって。
でも、腹の底に響く残虐さというのは、
この映画の本筋とは関係ない冒頭の
ノルマンディー上陸シーンに始まったのではないか。
「宇宙戦争」とか「ミュンヘン」とか残虐性はヒートアップしておる。
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数年前に私が日頃の悪行による厄を祓おうと、
近くの神社に行ったときのことだ。
厄祓いというのは。厄年でなくとも、罪穢れというのは。
この身に降り積もるものらしくて。
本来は6月の末と年末に大きなお宮で行なわれる
「大祓え」の儀式などで祓うものであるんだが、
忙しい時期に重なってしまったもので。

で、厄払いしてもらって。
暇だったのか、宮司と茶飲み話していて。
そのとき、長老が来た。
最近はあんまり見かけなかったんだが。
長老というのは、近所の爺様で。まあいい歳だ。
一説には90 過ぎてんじゃないかって。

この長老との付き合いは、私が神輿を担ぐようになってからだったか。
神社の役員の頭として。また、神輿会の世話役として。
いろいろと世話になったもんだが。
流石に此処のところ数年はあまり姿を見ないでいた。

ところが、この日は、神社の社務所で、「おーい!」と声をあげて。
ズカズカ入ってきて、一頻り、茶を飲んで。
すると突然、捲し立てるように話し出した。
作品名:プライベート・ライアン 作家名:平岩隆