小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

朧木君の非日常生活(2)

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 


「民族学上の鬼で祖霊や地霊。山岳宗教系の鬼、山伏系の鬼、例、天狗。仏教系の鬼、邪鬼、夜叉、羅刹。人鬼系の鬼、盗賊や凶悪な無用者。怨恨や憤怒によって鬼に変身の変身譚系の鬼。「おに」の語は隠が転じたもので、元来は姿の見えないもの、この世ならざるものであることを意味した。こんなとこかな」
「すごいな、蜻蛉さん。良く知ってるね」 
どうせwikiだろ? 出番まで暇だったんだろ?って言葉は口に出さずにおこう。
「要するに化物ってこと?」
「結局、端的に言うとそうなるかな」
その時、102号室の扉がそっと開いて、深紅の目をした女の子が顔を覗かせた。
「ま、俺は気にしないけど」
だってこんなカワイイ化物なんていないだろ?
「お風呂あがった。そして、着替えた。似合う?」
あ、やっぱり訂正させてくれ。
「鬼火ちゃん、凄い似合ってるよ」
 この子は化物なんかじゃない。
 「ありがとう」
 だってこんなにも感情があって。
 「嬉しい」
 こんなにも純粋で。
 「これからも一緒にいていい?」
 こんなにも愛おしいんだ。
 「うん、一緒にいようか」
 だから、俺達、人間と何ら変わりない。
 この子は化物なんかじゃない。
 「朧木くん、蜻蛉さんはおいしいの?」
 ちょっと変わってるけどね。



                           蜻蛉編  おわり
作品名:朧木君の非日常生活(2) 作家名:たし