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朧木君の非日常生活(2)

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朧木君の非日常生活  蜻蛉編


俺、こと朧木真夜は人ではない何か――『鬼』と歩いていた。
ちなみに俺のことは名前でも苗字でもどちらで呼んでくれても構わない。
希望としては、女の子には名前に君づけ、男には苗字で呼んでほしいけど、贅沢は言いません。
だって名前って覚えてもらえるだけで嬉しいじゃん? 特に女の子…女の子!ニー
トだから出会いがないの! だから名前を覚えてもらえるだけで嬉しいの!
・・・・・・話が脱線しましたね。運転手は何をしているのでしょう。制御装置の不具合
かな?まぁいい運転手は俺だ。制御なんてしない!
・・・・・・そう俺は、とある理由から暗い夜道を鬼と歩いているのだ。
草木も眠る丑三つ時に。
そして、目の前にはごく平凡なアパート。そこの102号室が目的地だ。

『蜻蛉さんの都市伝説解決事務所』

こんな標識? 表札? がドアノブに吊られてる胡散臭い場所。
「この人頭弱いの?」
鬼火ちゃんがさぞかし疑問そうに聞いてきた。
ここで1つ断っておくが『鬼火ちゃん』とは、道中に俺がこの鬼の子につけた名前である。
名前の由来?
単純に鬼って言ったら鬼火を連想するでしょ?
だから鬼火ちゃん。
単純で簡単であまりに曖昧な名前。

ん? 話が分からないって?そんな方は朧木くんの非日常生活 鬼編をご参照下さい。
短編といいつつ話が続いています。

「鬼火ちゃん。この方はね、頭が弱いんじゃなくて頭が温かい人なの。要するに
馬鹿。あっ、ちなみに馬鹿って言葉は多用しちゃだめだよ!多用厳禁。厳しく禁じます!」
「んじゃ、朧木くんは馬鹿なんだね」
・・・・・・ん? 多用しちゃダメって言ったよな。多用って難解用語だっけ?まぁいいけど。
そこで俺は違和感に気づいた。重要な違和感。重要で些細で肝心なこと。
「鬼火ちゃん、俺のことは名前で呼んでって言ったよね?」
冒頭で心理描写したじゃないか。見事なスルーしないで下さいよ。2chに書き込むよ。『鬼火、乙www』みたいな感じでさ。叩かれたくないなら名前で呼んでよ。
「朧木くんじゃダメなの?」
「いいとも!」
そうさ、気分屋さ。なんとでも言ってくれ。けど、言い訳を聞いてください。
だって年下(見た目的にね)の女の子に言われるんだよ?しかも身長が150センチそこそこだから、俺に対し上目遣い。ナイス、上目遣い!
世間的には年下の敬語キャラも萌え要素だけど、年下のタメ口キャラも個人的にはキテます!
「んじゃ、朧木くんって呼ぶ」
「鬼火ちゃん、カワイイ!カワイイよ!」
「?」
すみません、心の中で叫んだのに口に出していたみたいです。ていうか、鬼にカワイイってどうなんだろ。まぁいっか。カワイイは犯罪ってよく言うし。
人の家の前でだらだらと喋ってるのも非常識なので、とりあえず俺はインターホンを押した。

作品名:朧木君の非日常生活(2) 作家名:たし