そのままの君で
「ねえ、幸太郎。キスして」
首に手をからめて、めいっぱい色っぽくそう言った。
「ごめん。いま、忙しいんだ」
恋人は受験用の赤い本を目の前にしながら、冷たく言い放っただけ。
黙って手を離した。
この関係はもう修復不可能になってしまったのかもしれない。
首に手をからめて、めいっぱい色っぽくそう言った。
「ごめん。いま、忙しいんだ」
恋人は受験用の赤い本を目の前にしながら、冷たく言い放っただけ。
黙って手を離した。
この関係はもう修復不可能になってしまったのかもしれない。
作品名:そのままの君で 作家名:律姫 -ritsuki-