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椎堂かおる
椎堂かおる
novelistID. 13261
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湾岸の風〜テルの物語

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 イルスは一瞬ぽかんとしてから、私もびっくりするような大声で笑いはじめた。イルスの側でくつろいでいた猫たちが、迷惑そうにその場を離れ、アルコーブからとんとんと飛び降りていく。あの黒猫が、恨めしそうに私をじろりとにらんでいった。
「元気でな、テル。悪い男にだまされんなよ」
 まだ笑いをこらえながら立ち上がって、イルスは通りすがりに、ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた。猫を撫でるときと、同じ手だった。