小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ぐるぐる廻る、僕らと僕と・・・。

INDEX|18ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 

僕に差し出される、何か。


「どうせおまえも、すぐに死ぬ。」


その人は、死のうとしていた。心を、終わらせようとしていた。


「だから、終わるその時までは、それを、持っていなさい。」


何もなかった僕は、何もなかったが故に、それが、強く分かった。


「そして死ぬ時は恨みなさい。地獄に落とすつもりで、死んでも苦しめと、恨みなさい。」


原初となる器を貰った僕は、頷くことも、答えることもせずに、見る。


「恨んで恨んで恨みぬいて、最後の最後に、後悔しなさい。それを受け取ったことを。」


急激に、構成をはじめる器。そして、僕はそのデザインを選んだ。


「それは、呪い。お前にかけた、死の呪い。死ぬまで解けない負の呪い。」


その人をからもらった僕は、その人の望む姿をとることにした。


「そして最後は、私を見て、死になさい。」


そう呟いた、その人の姿を見ながら、僕は、初めての、言葉を、返した。


「        。」


頭を流れたその記憶を。
その光景が浮かんだ瞬間。
今まで押し寄せていた全てが、失せていく。
その理由としては、単純で。
さらには痛快なくらい、明確で。
それは。
ただ単に、僕が。
そんなもの、どうでもよくなってしまったからだ。





<11章=ふぁふぁふぁ>





「あー・・・・・・・・・・よく寝てしまった。」
もー、これでもかと言うほどに。
「うんしょっ、と・・・・・・・・・・・・・・・っぅ〜、背中が固まって。」
もうカチンカチンだ。
寝るもんじゃないね、屋上。というかコンクリートの上。
出来れば枕も欲しかったなぁ。その時は、やっぱりももちゃんの足がいいね、柔らかいし、やってもセクハラ扱いしないから。
紅葉は・・・・・、殴られそうだな。でも今度、頼んでみるのも一興か。
自分で腕枕は、肩が凝るから。
僕は肩を回しながら、起きあがる。
肩を暖めなければ、キャッチボールすら出来ない。僕の場合は、言葉のだけど。
とりあえず、うむ。
「チャイムがいい目覚ましになってくれたようだな。」
あれって結構音大きいし、耳に響くから丁度よかった。
それにしても、あれ?。
「目の前グラグラ・・・・・、地震か?、う〜む・・・・・・・・・・・・。」
なぜか空まで揺れている。
なんだ、遂に世界の滅びか?、と疑ったけど。
それもそうか。
「・・・・・・・・・・・・・さびぃ・・・・・。」
僕は両手で擦り合わせる。
うわぁ。危なかったぜ。
体が真から冷えてる。
やばいやばい。
手と足の先の感覚がほとんどないよ。
もう少しで学校で凍死するところだったよ。
そんなのは洒落にならない。
屋上で死ぬと言ったら飛び降りと相場は決まっているのに、僕がそのルールを破るわけにはいかないのだ。
どうでもいいから、早く中に入ろっと。
僕は急いで屋上から校舎の中に入っていく。
階段降りる時は、まだ意識がフラフラしていたからで、手すりにこれでもかっていうほど掴まって、ゆっくり降りていく。
だけど。
「そういえば次は昼休みか。」
まずい、かな?。
急がねば、また遅れると前回以上にご立腹になりかねない。
そう思い、僕は来たときの2倍くらいのペースで階段降り、廊下を走らない程度のスピードで歩いていき、とりあえずは、まず。
僕の、クラスについた。
そんな風に言うと、まるで僕の所持物みたいに聞こえるけどそんなこともなくどうでもいいか。
それより急ぐ僕。
教室に入り、一番奥の席に向かっていく。
「あっ。」
だが、刺客が僕の前に現れた。
「こうくんおかえり。どこ行ってたの?。」
木沢は、すでに弁当を食べながら、僕の方を向いている。
「いやちょっと、軽めの冬眠を・・・・・。」
「え?、さぼってたの?。」
「いやいやまさか。僕がそんなことをするはずがないじゃないですか。ただちょっと授業中に意識を無くすことによって心身の回復を計っていただけで。」
「それをサボリと言うのだろう。」
美島は富士山柄の敷物に包まれていた弁当箱(柄が鶴)の中にある唐揚げを食べながら、僕のことを箸でさす。
「箸でさすなよ。」
「んぅ・・・・・。ホレ。」
「指でさすなよ。」
それじゃあ結局一緒だろ。
「わがままやつだな、こうくん。」
「それなら美島は失礼なやつかな?。」
「まぁ、それはおいといて。」
話を軽く流された。
わざわざ手を使ったジェスチャー付きで。
「本当はなんで呼ばれたんだ?、こうくん。」
美島は箸を加えて僕に聞いてくる。
女の子なんだからさぁ。
やっぱり侍なのか・・・・。
どうでもいいけど。
とりあえず僕は首を振っておいた。
「別に。大したことじゃないよ。」
僕がそう言うと、美島は少し身を乗り出して言う。
「大したことじゃなくて先生が授業中に生徒を呼ぶか。」
まあ、確かにね。
言ってることは、よく分かるけど。
「僕にとっては、って意味だよ。」
「なら教えてくれてもいいじゃないか。な、梨沙を聞きたいだろう。」
「え?。あー、・・・うん、ちょっと、気になるかな。」
「ほら、梨沙もさっさと言って楽になれと言っている。」
「そこまで言ってないよっ菜月ちゃん!。」
「さあさあ。早くいうんだこうくん。」
と、美島は木沢の主張をスルーしつつ僕に詰め寄るけど・・・・・・・・・うむ。
そんなに気にすることでもないだろうよ、別に。
何がそんなに気になるのやら。
「本当に大したことじゃないよ。」
僕は続けて拒否の意向を示してみた。
「それでも気になる。」
あっちも拒否してきた。
そしてこの野郎と僕は対峙し、永遠のライバルが現れた喜びに打ち震えたり何たりしたりはしないけど。
こっちには少々急がなきゃいけない訳があるのだ。
だけど。
「ねえ、こうくん。」
そこで。
木沢が、僕に言ってきた。
「もしかして、今朝の飛び降り事件の事で呼ばれたの?。」
「ん、・・・・そうなのかこうくん?。」
いささか真剣みの増えた表情で僕を見る木沢と美島。
男子からみれば羨ましい限りの状況なのだろうけど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・うむ。
まぁ確かに、タイムリーな事なんだけどなぁ。
学校の雰囲気かすると、もうすでに話は広まりきっているようだし。
だから、2人が気になるのも分かるけど。
話すの、面倒だしなぁ。
そろそろ、紅葉の所に行かないと本気でマズイので。
僕は、取り出した弁当箱を持ち、こっちをじっと見てくる2人に軽く手を振る。
「大したことじゃないよ。」
僕はそう言って、教室から出ていく。
美島か木沢か分からないけど、どっちが最後に僕を呼び止めたような気もするけど、そんな場合じゃないし。
僕はいつものように隣のクラスに向かい、後ろ側の扉を開ける。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ふむ。
空気が、いつもと違った。
そんな気がするだけだろうけど、重たいって言うか。
僕に集まってくる視線も、いつもより遙かに、圧力がある。
トゲがあるっていうか、それ以上に鋭い感じの。
まぁ別に、本当に僕に圧力がかかっている訳でもないの、僕は堂々といつも通りに紅葉の席へと向かっていく。
それに伴い僕を追っていく視線。
しかも、クラスのほぼ全員の視線が僕に集まっている。