小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

メギドの丘 三章

INDEX|7ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

 「奏さん! 結さん! ・・・・・・何が起こっているんですか!? あの歌ですか!?」
 しかし、朔夜の悲痛な叫びは二人に届かない。
 二人に届いているのは悲しみの悲劇の歌だけなのだ。
 と、その時、朔夜は一つの違和感に気付いた。
 些細な違和感が重大なものへとつながって行く感覚。
 決して見逃してはならない感覚。
 『光』の能力者の朔夜だからこそ気付くことが出来た違和感。
 (・・・・・・星の数が減ってる?)
 違和感は確信へと変わって行った。
 そして確信すると同時に朔夜は気付いた。
 (・・・・・・あの歌、星の光のエネルギーを変換しているんですね)
 けど、朔夜には全く持って歌による被害は、ない。奏、結のように苦しめられることもない。朔夜の中でバラバラだったピースが次々と合わさって行った。
 (光・・・・・・光を消して攻撃へと変換しているということは・・・・・・ッッ!)
 朔夜は、右手で何か棒状のものを握るようにし、神経を集中させた。
 繊細な脳の計算、伝達、変換、全てが電気の速さではなく光の速さで処理されていく。
 人間のレベルを遥かに超えた力。
 光。
 朔夜の周りの光源体が急速に光を失っていく。無論、月、星も例外ではない。
 さながら光の剣。
 それが朔夜の手中に出来あがっていた。
 「奏さんと結さんを解放してください!」
 朔夜がそう叫んだ瞬間。
 光量が一瞬にして増幅。拡散。そして、収束。
 目標を一瞬で貫き爆散した。
 「やけにあっけない精霊でしたね・・・・・・・・・・・・ッッッ!!!!」
そして、目標の消滅と共に世界の崩壊が更に進んだ。
 最初から、それが目的だったのかのように。
 自らの命を賭してまで世界の歯車を狂わせに来たのかのように。
 あの悲しみの歌は死にゆく自分へささげた歌だったのだろうか。


そう。
作品名:メギドの丘 三章 作家名:たし