ツインテール探偵くるみの事件簿
カップルも加えてくるみの説明が始まった。
「浮気をめぐってケンカしてましたね」
と、くるみが訊いた。
「彼が見たことないネックレスつけてたから」
女がそう言って、男をにらんだ。
「彼女は栞ちゃんが浮気相手だと勘ぐったのです」
「でも確信がないので洗面所でワトちゃんを『彼氏?』と訊いた」
栞さんは「全然違います」と答えたので女の疑惑は確信へと変わったらしい。
「席に戻ってからワトちゃんを指さし『あの男は危険よ』と言ったのです」
栞さんに手を出すとあの男が黙っていない、という意味らしい。
そして男は怖がりで、危険の意味を間違えた。
「ワトちゃんの体にうごめくセクハラマジックハンドを見て恐怖したのです」
栞さんが俺の肩や背中にSMHのリアルな手を這わせると、
「あっ、それだ」
と、男が声を出した。
「ワトちゃんを隔離しなければと警察を呼んだんじゃないですか?」
「テレビの見すぎね」
「警察を呼ぶ理由はなんでもよかった。手っ取り早いのが彼女に触っただった」
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん