ツインテール探偵くるみの事件簿
栞さんとしては一刻も早く別荘に戻りたかった。だが具合が悪いと言えば、カレーが原因ではないかとくるみが心配する。だからひと芝居打ったのだ。昔のような事件を見せ「危険だからここを離れましょ」と言うつもりだった。そして辻さんが迎えに来るのを待って全員で出て行く予定だった。
だがここで面倒なことになった。探偵モードが復活したくるみだ。紐でぐるぐる巻きにされた能登を見ても、もはや通じない。辻さんが迎えに来た足音を聞いて、まずいと思った栞さんはくるみに話を合わせて2階に行かせ、俺たちに事情を話したのだ。栞さん、望月さん、能登だけは一旦屋敷を出て、翌朝戻ってきた。俺とくるみが平気だったのは食べた量が少なかったからだろう。
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん