ツインテール探偵くるみの事件簿
放課後、星村探偵事務所に入ると、くるみと栞さんが美味しそうになにか食べていた。
「パンプキンパイよ。よかったら倉田くんたちと食べて」
「栞さんが作ったんですか?」
「ちょっと、ワトちゃん。栞さんがって、どういうことよ」
こういうことになると鋭いくるみが言った。
「わたしが作ってたらどうしてたのよ。こら逃げるな」
俺はパイを持ってそそくさと部屋を出た。
妄想愛好会の部室では相変わらず倉田先輩と能登が目をつむって妄想していた。
俺がパンプキンパイを持って中に入ると、
「エプロン姿が見えたか?」
パイの匂いに気付いた倉田先輩が訊くと、
「はい、見えました。旦那が顔を近づけてます」
能登がそう答えた。俺は若奥様か?
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん