ツインテール探偵くるみの事件簿
なにが起きたのかわからなく、呆然としていると、
「あなたがやったの?」
と、背後で声がした。振り返ると、国語を担当している屋久(やく)先生とどこかで見たことのある女子生徒だった。
「ち、違います。俺じゃないですよ」
「ここにはあなたしかいないわよ」
完全に俺を疑っている目だ。
「何があったの?」
そばにいた女子が訊いた。紙を見せて校長室に呼ばれたことを話した。くるみの写真は隠した。
「校長先生は外出中よ」
「来て」
と、女子が廊下に連れ出した。
「ああ、困ったわ」
背後で屋久先生の声が聞こえた。
「他になにかなかった?」
躊躇したが女子だったので、くるみの写真を見せた。
「知ってる子?」
「探偵、じゃなくて推理小説同好会の部長」
「なになにどうしたの?」
ひょっこり現われたくるみが写真を奪った。
「なによこれ。ワトちゃんっ!」
「ち、違うって」
俺は今までの経緯を説明した。
「とりあえずこの件は生徒会が預かります。その写真も渡してください」
「あなた誰?」
「わたしは生徒会で書記をやっている、海東歩美(かいとうあゆみ)です」
作品名:ツインテール探偵くるみの事件簿 作家名:へぼろん