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ツインテール探偵くるみの事件簿

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「望月さんって能登君のことが好きなんじゃない?」
 俺は飲んでいたものを吹き出した。
「いきなり何を言い出すんだ」
 袖で口を拭きながらくるみを見た。
「だって今、能登くんの後ろを歩いてたよ」
 葉桜学園の校庭の隅にミステリーハウスと呼ばれるプレハブの部室がある。出入り口に一番近い部屋が俺たちの探偵事務所だ。ドアには窓があるので、誰が通ったかがわかる。
「たまたま帰るのが一緒になっただけだろ」
「昨日もおとといもそうだったんだよ」
 俺が反論に困っていると、栞さんがやって来た。今の話をすると、何か気付いたようだが、何も言わない。
「わたしが恋の橋渡しをした方がいいのかも」
 と、くるみが言うと、
「くるみならうまくやってくれそうね」
 と、応援する。栞さんはくるみが突っ走るのを楽しみにしている。壁には『恋の相談伺います。星村探偵事務所』と書かれたポスターが貼ってある。前回の事件に懲りず、また新しいポスターを作ったのだ。