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連載 たけこさん (終)

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終章 なんでやのん


「ねぇえ、この連載が終わるって噂やけど、山谷さん、なんか聞いてはる?」
「海老出さんはそんなこと、もう知ってはるん」
「やっぱり・・・私、他の作品にも出させてもろたから、こういう情報は早いんよ」
「えっ、ほんまですか!? 読者層が若いから、やっぱり若い人向けの話やないとあかんのんちゃいますか。ほんなら今度は『連載 つるこさん』が始まるんかな、ちょうど子育て真っ最中」 
 掃留鶴子は嬉しそうに言う。ここは負けじと渡舟も、
「そやけどな、高齢者のこともっと知ってほしいさかいな、そうなると
『連載 ふねさん』がエエと思いますよ」

「山谷さん、なんで連載終えるんか知ってはるのん? やっぱりネタが枯渇したんかなぁ」
 海老出鯛子は不満らしい。
「さあ、聞いてへんけど・・・ここだけの話やけどな、絶対人に言うたらあかんで。作者な、離婚しはったらしいわ」
「ご主人と別居してはるゆうんは聞いてたけど、離婚しはったん。それやったらこんな作品書いてる場合やないな。ボケはったって聞いてたんやわ」
「認知症ですか。あっ、おはようございます、遅なってすみません。今は若い人の認知症も広く知られるようになって……(ぐだぐだ、ぺちゃくちゃ)……」
「あ、あ、四面(よつも)さん、そやない、そやない、作者が離婚しはったらしい、ゆうことやわ、よう知らんけどな。それでこの連載が終わるって」
 山谷岳子は、四面そのかの話を中断させるのに必死。
「ほんま! 私が主役はるチャンス!」
「四面さんが主役はったら、話がまとまらん」
「私やったら1時間でも2時間でもつなげまっせ」

「なんやいな、おばはんらが固まって。きょうは最後やゆうからワシも来たで」
 山谷富士夫が突然現れた。
「ご主人も他の作品に出てはったけど、なんでこの連載が終わるんか、知ってはりますのん?」
「それはやな、ぐだぐだぐだぐだ続けてもだれるだけやないか。大切なんは引き際やな。ちょうどエエ頃やないか。そんなことより、読者のみなさんにご挨拶せんかい」

 一同、
「長らくのお付き合い、ありがとうございました!」


 また別の機会に、それぞれのキャラクターが登場することがあるかもしれません。
 その時には、こんなんがあったな、と思い出してください。


                      2011.6.8