小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

A Groundless Sense(5)(完)

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 

「な、なによ、黙っちゃって。殴るなら今しかないよ?」
「じゃ、お言葉に甘えて」
 カツシは右手を挙げた。
 泉子は早くも痛そうに目をつぶる。
 カツシは挙げた手をそっと前にして泉子の頬にそえ、口づけした。
「!」
 泉子はぐっと目を開いて固くなった。
 唇が離れ、泉子は涙をためた目でカツシを見上げる。
「ごめんね」 
「いいんだ。それよりさ……」
 カツシは耳打ちした。
「ヒーラーの修行は手抜きしてくれないかな?」
「え? どうして?」
「だって、記憶がどうのってところまで知れちゃったらさぁ」
 泉子は涙をふいて笑った。
「ハハーン。エロ本読んだこともバレちゃうし?」
「バッ、バカ! なら、俺にも考えがあるぞ。隠したBL本とか……」
「あっ! ママの力借りるのはダメっ! 反則っ!」
「っていうか、もうバレてんだろ?」
「たぶん……」
 二人はしばらく笑いが止まらなかった。


 おわり