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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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BSS34 くまさんとたたかうはなし

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 「どこがめでたいのかよく分からない」
 「え、なんで」
 「要は熊が町に現れたからそれを退治しようと警察どもがピストルで撃ちまくった、ってだけの話だろ」
 「いいじゃないか。熊に被害をもたらされるよりはさ」
 「一つ聞いておきたいんだが」
 彼はそういって、しばしたばこを吸うと、ふたたび僕の顔を見る。
 「その話はフィクションか?」
 「いいや、実話さ。僕の住んでいる町の隣町で起こった事件でね」
 「その町は、開発中じゃないか」
 「ん?そうだけど。よく分かったね」
 「それが原因じゃないか」
 「え」
 「山に道路かゴルフ場か作っていないだろうか」
 「まあ、作っているけど」
 「熊の住んでいる山とやらは人間が開発して住めなくなったんじゃないか」
 「…あ!」
 「としたら、人間は自己都合で開発して、それに腹を立てて抗議してきた空腹の熊をピストルでめったうちにしたってことになるよなあ?」
 「…」
 「…どこがどうめでたいんだ。しかもなんだ、全編ひらがなとか子供に読ませたい話にしているのか」
 「…」
 「これを読んで育った子供は人間が万物の中で1番優位である、と勘違いするよなあ」
 「そ、それは」
 「地球破壊も正当か、か…ふっ。言ったことの意味分かったか」
 彼はそういってもう一つのたばこに火をつけた。

 「ぜんぜんめでたくねえ」