君に言えなかったことがある
【ごめん / 君に謝りたかったこと】
山本のことが好きだ。
そう気付いたのはいつの話だったか。
進級して、クラスの離れた恋人に会いに行った時、目に付いた男。
どうして俺は、こう次から次へ“イイ男”を見つけてしまうのだろうか。
「ん、……どうした?上野、」
俺の下で、不安げに眉を寄せる希。
嗚呼、なんでもない。
そう嘘を吐いて、俺は再び腰の動きを速めていく。
「あっ、は……上、野…」
希の赤く熟れた唇から漏れる艶っぽい吐息。
合間を紡ぐかのように発せられる、俺の名前。
そして結合部から響く、粘着質な水音。
俺と希を囲む空間に存在するそれらの音は、頭の隅では別の男のことを思い浮かべる俺を、確かな快楽の淵へと引きずりこむ。
「……そろそろイクぞ」
希が頷くより早く、俺はその体をかき抱いた。
限界を超えたのか、希は背中を仰け反らせ、熱い白濁を吐き出した。
俺の腹の所が、その液体で更に熱くなり、最後に力任せに最奥を抉ったところで、俺の記憶は飛んだ。
山本のことが好きだ。
そう気付いたのはいつの話だったか。
進級して、クラスの離れた恋人に会いに行った時、目に付いた男。
どうして俺は、こう次から次へ“イイ男”を見つけてしまうのだろうか。
「ん、……どうした?上野、」
俺の下で、不安げに眉を寄せる希。
嗚呼、なんでもない。
そう嘘を吐いて、俺は再び腰の動きを速めていく。
「あっ、は……上、野…」
希の赤く熟れた唇から漏れる艶っぽい吐息。
合間を紡ぐかのように発せられる、俺の名前。
そして結合部から響く、粘着質な水音。
俺と希を囲む空間に存在するそれらの音は、頭の隅では別の男のことを思い浮かべる俺を、確かな快楽の淵へと引きずりこむ。
「……そろそろイクぞ」
希が頷くより早く、俺はその体をかき抱いた。
限界を超えたのか、希は背中を仰け反らせ、熱い白濁を吐き出した。
俺の腹の所が、その液体で更に熱くなり、最後に力任せに最奥を抉ったところで、俺の記憶は飛んだ。
作品名:君に言えなかったことがある 作家名:火乃 龍弥