ちょ、またあいつかよ【自販機スペース】
定食屋に立ち寄って、400円ほどのランチを食い、帰りに本屋によって週間少年ジャンプを買う。そして歩いてバス停まで来て、ふと前を見るとあいつがいる。
ちょ、またあいつかよ、と私は舌打ちをするのである。
「やあ池谷さん」
「…電波少年君じゃない」
「僕は電波じゃないよ…まったく」
「じゃあ段ボールカッターなんて携帯しないでもらえるかな」
「これは護身用。全く説明しなかったっけなあ?」
「何回訊いたっていいじゃない」
「訊かれた方の立場にもなってくれよ」
「知らないわよ」
「で、今から学校に行くところかな」
「あなたもでしょ。というか引きこもりなのあなた昼からいくとか」
「何で君に言われなきゃいけないんだ」
「私はいろいろあるから」
「そりゃあそんな口の利き方してたらいじめられるって」
「あんたデリカシーってのがないの」
「あったら僕は朝から学校に行ってるさ…らんらんるー」
「ドナルドか…」
「あーあ、まったくさあ、If I had a fourth-dimension pocket, I would take out earth-destroying bomb to break this boring world immidiately」
「なにアホなこといってるの」
「だって」
「全く…もてないからって当たり散らすな」
「もてないわけではないよ。バレンタインデーはロッカーいっぱいにチョコレートがぎっしりだから」
「嘘でしょ」
「嘘だと思った?本当なのでした。まあ、遅く登校するメリットってあると思うんだよね。だって素顔がばれないじゃん」
「…こっちは必死なのに」
「もっと明るく生きればいいのにねっ。まあ、君はきっと大学いってもひとりぼっちだろうなあ」
「殺すよ」
「無理だろ。君の武器なんてカッターナイフじゃんか」
「うるさい!それでも最強なんだよいろいろと!この左手のオメガスキャンで」
「中二病ですか…しかもスキャンしただけじゃあ敵倒せませんよ」
「…」
「まあ、いいや」
作品名:ちょ、またあいつかよ【自販機スペース】 作家名:フレンドボーイ42