【ローマ解説】 -『小説 ティベリウス』付録
第二項 ネタにされた人々(3):神君カエサル
■神君カエサル ―ハゲの女たらし―
Gaius Julius Caesar、BC100-BC44
ガイウス・ユリウス・カエサル
【こんな人】
古代ローマ最大の政治家、軍人であり、かつ文筆家。
ついでに「全ての女の男であり、全ての男の女」
「元老院議員(この頃なら900人?)の3分の1の妻を寝取った」
とまで言われた「色好み」。
塩野氏が「何故カエサルはあれほども女にモテ、
しかもその女たちの誰一人からも恨まれなかったのか」
という問いを立てたほどである。
共和政ローマを崩壊に導き、アウグストゥスに始まる帝政ローマの礎を築いた。
ラテン文学においては、散文でキケロと双璧をなし、
特に『ガリア戦記』の雄渾で簡潔な文体は高く評価されている。
【私見・偏見】
「市民たちよ、女房を隠せ!我々は、 ハゲの女たらしを連れ帰った!」(スエトニウス)
人間的魅力溢れるこの「偉人」は、
とてもではないがこんな項目で要約できる男ではない。
参考文献『ローマ人の物語』やスエトニウス『ローマ皇帝伝』などを
参考にして欲しい(←逃げるな!(笑))。
それにしても、20歳にもなっていなかった、
姪の息子(アウグストゥス)の資質を見抜き、
後継者に抜擢しただけでも相当の慧眼である。
ちなみに後継者を自負していたアントニウスは、
「アウグストゥスが美少年だったからだ」
と悔しがっている。
作品名:【ローマ解説】 -『小説 ティベリウス』付録 作家名:深川ひろみ