【ローマ解説】 -『小説 ティベリウス』付録
はじめに
深川がこそこそつけているブログの過去ログをたどってみると、「ローマ」に関しては全ての始まりであった、塩野七生『ローマ人の物語』についての最初の記事は、2005年7月30日が初出だった。つまりそれより以前は、はっきり言って関連知識は限りなくゼロに近かったということだ。
一応世界史を高校で選択していたので、アウグストゥスだのポエニ戦争だの、初耳ではなかった。だが、仮に「ポエニ戦争は中世に起こったドイツとスペインの戦いだ」と説明されても全く違和感を覚えなかっただろうと断言できるほどのレベルでしかない。(正しくは紀元前に起こったローマとカルタゴの戦いである。念のため。)
断っておくが、誇張では全くない。大体、深川は授業の中でも社会科が、その中でも特に歴史が大嫌いだった。社会科が入っただけでひょっとすると順位が100位は下がったかもしれないし、この科目だけは後ろから数えたほうが早かった。(←後ろの一割に入っていた。)今でも歴史好きには程遠い。知識といえばお寒い限りだ。
そんな深川がお届けするローマ解説である。幅広さや奥深さを期待してはいけない。表題の通りだ。
では、どうぞ。
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カエサルは隊長たちを残らず集め、痛烈に彼らを詰った。
「自分らが臆病風に吹かれたのを兵糧の問題や行路の艱難に転嫁するとは不届き至極、
……兵糧の調達はこの俺が心配する事だ。
小麦についてはセクアニ族、レウキ族……が梱包したものを供給する手筈になっている。
しかも田野には無限に広がる熟した小麦があるではないか!」
かくして全軍の士気は一転し、勇躍ゲルマニア人討伐に向かう事になった。
それにしても食料がなかったら畑から小麦を刈り取って喰えとは、
今から見ればひどい話である。
塚田孝雄『シーザーの晩餐』
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作品名:【ローマ解説】 -『小説 ティベリウス』付録 作家名:深川ひろみ