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戯曲 フォビア

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リアーヌ
 先生は手に入れられますの?
ジギ
 (にやりと笑って)勿論。私ならば可能です。
アニタ
 (さも愉快そうに)あら先生、それって。
ジギ
 可能性の話ですよ。所詮ね。

        (上手から黒衣の男が登場。俯きながら歩いて来る)

ジギ
 おや、あの方は。
リアーヌ
 どこかで見たような……。
アニタ
 あら嫌だ、あの女の客として一度来たじゃない。
リアーヌ
 そうだったかしら?
アニタ
 そうよ。私、あの女の事は何でも知ってるんだから。
リアーヌ
 嫌だわ。アニタったら、あの女の事を恨み過ぎて愛してしまっていたの?
アニタ
 (高らかに笑う)馬鹿言わないで!
ジギ
 (女二人を無視して)やぁ、先日はどうも。
サーケイド
 薬師か……。
ジギ
 えぇ、薬は役に立ちましたか?
サーケイド
 ……聞くまでも無い。
ジギ
 それは良かった。ええ、本当に。
サーケイド
 用が無いのなら失礼する。
ジギ
 つれないお方だ。今日はどちらへ?
サーケイド
 それを知ってどうする。
ジギ
 いや、単純な興味ですよ。
サーケイド
 ……丘だ。
ジギ
 ほう。あの丘ですか。
サーケイド
 もう良いだろう、お前の望みは叶ったのだ。私に用はあるまい。
ジギ
 えぇ、そうですね。それでは、またいつでもお越しください。
 どのような薬でもご用意してみせましょう。
サーケイド
 (無表情のままジギをねめつけ)……ふん。
 
         (サーケイド下手へ去っていく)

作品名:戯曲 フォビア 作家名:有馬音文