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陰陽戦記TAKERU 前編

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 俺は拓朗と別れると美和さんと加奈葉を連れてファミレスで飯を食った。
 本当は出店のヤキソバやたこ焼きも魅力はあったがあそこじゃ出来ない話もあるしな、しかし美和さんは食欲が無かった。
 美和さんが頼んだ鮭定食も全く箸が進んでいない、
「美和さん、気持ちは分かるけどさ、無い物は仕方ないよ」
 俺はとりあえず励ます、
「ええ、玄武はあそこにいます。出たくない理由があるんでしょう……」
 やっぱり元気が無い、こんなに元気の無い美和さんを見たのは始めてだった。
「もう一度行ってみる?」
「えっ?」
 俺は言った。
「これは俺の感なんだけどさ、やっぱり人が多すぎたんじゃないか?」
「あ、そうよね。アンタたまには冴えるじゃ無い。」
 おい『たまには』は余計だ!
「そうでしょうか?」
「あ、いや…… 俺のは感だからさ、とにかくもう一度行ってみるのはいいと思うんだ。今度は日が落ちてからでもさ……」
 多少の戦闘のリスクは覚悟するか、
 美和さんも弓が使えるから何とか大丈夫だろ、俺も大分戦いに慣れてきたし……
「……そうですよね、諦めては駄目ですよね」
 美和さんは少し笑顔になった。
「そうだよ、まずは美和さんが元気にならなきゃさ」
「はい、武様」
 美和さんは笑顔を取り戻した。
 俺達は一度美和さんの弓を取りに帰宅、適当に時間を潰すと再び山に戻って来た。
 時刻は7時を回った所、日も暮れて夜の闇が空を覆った。
 確かに野次馬達はいなくなったがまだ工事会社の連中が数十名と土井竹会長が残っていた。
 周りの機械を動かして夜間工事でもやろうってのか?
「そんな、それじゃ玄武まで!」
「美和さん落ち着いて、とにかく少し様子を見ようよ」
 確かにそれからでも遅くは無い、
 よく見ると土井竹会長と恐らく現場監督だろう、2人が何か言い争っているようだった。
「やはり中止するべきです、マスコミに騒がれたら一環の終わりですよ!」
「つべこべ言わずに早くやりたまえ、高い金を払ってるんだ。なんなら別の会社にやらせてもいいんだぞ? 代わりはいくらでもいるんだからな」
 土井竹会長の言葉に現場監督は口をへの字に曲げて周りの者達に指揮を取った。よく見ると彼方此方動いている作業員達が持っているのはダイナマイトだった。
「ダイナマイトって、おいおい冗談だろ?」
 そんな事したら山が吹っ飛ぶ、それどころか普通民家が近い場所で使うか?
「武さん?」
 するとその時だ。
 懐中電灯を片手に拓朗がやって来た。近所だから明りを見つけてやって来たのだろう。
「拓朗、この山が爆破されるみたいだ。」
「ええっ?」
 拓朗はそれを聞くと血相を変えた。
 何とまだあの社には手当てをした鳩がいると言うのだ。
「大変だ!」
「おい拓朗!」
 拓朗は本来の入り口とは違う方向に走って行った。
 今朝俺達が使ったのと同じ方に言ったのだろう、俺達が止めるのも聞かずに行ってしまった。
「どうするのよ?」
「どうするって、待ってもらうしかないだろ!」
 俺達は作業をしている者達の方へと向かった。