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陰陽戦記TAKERU 前編

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 俺達はそいつに案内されて山の頂上の神社に向かった。
 境内の縁の下にはダンボールがありそこには包帯が巻かれた翼に鳩がいた。
「僕の家、母さんが羽毛アレルギーで…… ここで手当てをしたんです」
「見事な手当てねぇ、ええと……」
「あ、拓朗です。倉井拓朗です」
 拓朗は将来獣医を目指していると言う、加奈葉も看護士になるって言ってるから気が合ったのだろう、
 同じ生き物でも人間と動物じゃ全く違うと思うけどな……
「こいつに餌をやってたんですけど、下の草むらから物音が聞えたもんですから」
 すると美和さんは顔を赤くした。
「……すみません、驚かせてしまって」
「あ、いえ、僕の方こそすみませんでした」
 拓朗も頭を下げた。
 すると俺は拓朗に尋ねた。近所に住んでるんなら分かるかも知れなかった。
「あのよぉ、二月前なんだけど何か変わった事はなかったか?」
 やっぱ無理だよなぁ……
「二月前? もしかして隕石が落ちてきた?」
「知ってるの?」
「あ、はい、僕見ましたから……」
 拓朗の話ではニ月前に塾からの帰りにこの山で何かが光ったのが見えたと言う、
 すぐに行ってみたかったけど暗かったし危ないと思った拓朗は翌朝学校に行く前にここに来て見るとあの巨大なクレーターを見つけたらしい、
「それで、何か無かったか?」
「えっ、いえ別に……」
 拓朗は首を振る、
 すると美和さんは残念そうに肩を落とした。
 俺はそれを見ると拓朗の両肩を掴んだ。
「本当に何もなかったのか? どんな事でも……」
「ちょっと武!」
 加奈葉に言われて俺は冷静さを取り戻した、拓朗は少し怯えていた。
「す、すみません。僕本当に……」
「あ、悪い、俺こそ熱くなった」
 しかし簡単に見つかるとは思って見なかったが、また振り出しに戻っちまったなぁ…… 
 俺は青葉に覆われてあまり見えない空を見上げた。