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花園学園高等部二学年の乙女達

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「…っ」

…寒い、いや熱い?

咲はぼんやりとした頭のままうっすらと目を開いた。
彼は自分がどうなっているのかまるで理解していなかった。

咲は自分が幻を見ていると思った。
そこにいたのは神沢裕子だった。
しかし彼女はいつものようにおさげではなく、そのままさらりと髪をながしていた。

そしていつものきっちりとした制服ではなく、グレーのVネックのセーターにジーンズという普段からは到底想像しずらい随分とラフないで立ちであった。
裕子の白さはセーターの色によってより一層際立っている。

咲は驚いた。

そしてぽつりと呟きながら、彼女の白い首筋に手で触れた。

「…綺麗だ。」


裕子は一瞬驚いた顔をし、すぐに微笑んだ。

「子羊ちゃんには負けるわよ。」


咲はよい幻だ、と思いながら彼女の細い掌を握った。ひやりとしている。
そしてそのまま自分の頬にあてる。
我ながらすごいことをしているな、と咲はぼんやり思った。


「気持いいな…。」



「たっだいまー氷持ってきたぞ。全く何で僕が王子野郎のためにこんなことを…っな!なにしてるんだぁ!!!」


咲は朱美によく似た声を聞いたあと再び気を失った。
なぜなら氷のような感触のものがどこかから飛んできて咲の後頭部に投げつけられたからである。