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地球が消滅するとき

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           ☆  ☆  ☆

「*+:¥**;q・x&**:+」
「^〜^〜#」
「:;¥*xxq」

 【何を喋っているのか分からないので、理解できる言葉に訳して記す】

「あなたの消化器に住む有用細菌の数が非常に少なかったので、あなた自身の肝臓から細菌を採取し、培養して再び戻したわけですが、どのような具合でしょう」
「時々、キュッと痛む時があります」
「細菌数のバランスをとるために、少し薬を混ぜたのですが」

 患者ワワの肝臓には、有用細菌が非常に少なくなっていたので、組織の一部をとって、薬を与えながら培養したのだ。
 およそ1週間の培養で100倍に増殖した。この薬は、細菌内部に採り入れられ、数が増えすぎると制御して、ほぼ一定数に保たれるようになっている。
  それを確認してから肝臓に注入して戻された。

「いたたたたたた・・・・」
 ワワは肝臓部分の急な痛みを訴えた。
 
 ここでは、肝臓の病変を透映して見ることができる。
 一部分が変色しているのがみられた。

「これは大変だ!緊急手術をして病変部を取ってしまいましょう。3時間ですべては終わります」


 もうお気付きだろうか。
 地球を含む太陽系は、この生物の体の一部、肝臓の部分にあたっていた。
 
 アフリカ東部に横たわる大地溝帯から細菌、いわゆるパンジャ達が注入され、その勢いに乗って今の地点にまで押し上げられた、生き残った者たちの子孫がパンジャ族なのであった。
 それまで薬を与えられて、シャーレの中で培養されていたのである。

 その地溝帯に機械が入って掘削が始まったので、ワワは堪らないほどの痛みを感じ、手術をしてその部分、つまり、我々の太陽系を切除することになったのだ。

 我々の時間でおよそ170年。

 地球は、太陽系もろともこの宇宙から消滅する!!


               完
作品名:地球が消滅するとき 作家名:健忘真実