センチメンタル
君の為だけに唄う歌……唄謳い
「歌、上手いよね」
呟けば別に、声に出して言われる程上手ではないよ。そう返された。
「そんなことないじゃん。少なくともあたしよりはめっちゃくちゃ上手。尊敬するよ」
勿論冗談やからかいではなく、本心から思っているから口にするのだ。
貴方の歌が好きです、と。
「ねぇどうやったらそんなに上手くなるの? 教えてよ」
だってあたしには夢があるから。どんな夢か、貴方にはまだ言えないけど。
「やっぱりさ、練習あるのみ?」
だから今は、貴方の為だけに唄うのです。
あたしの夢を、込めた歌を貴方に。