虹という物語
ゼンは、女の攻撃が出される前に素早い攻撃をし、最後に吹き飛ばした。女はそのまま壁まで吹き飛び、壁に当たると、ボキッという音が響いた。そのまま床に倒れこむ。
・・・どうやら、背中のどこかの骨が折れたらしい。しかし、女は痛みを感じていないような感じで、ニヤニヤしながら立ち上がった。
ゼンたちのほうへ歩き出すと、急に立ち止まった。手を耳に当て出した。無線でだれかとしゃべっているようだった。すると、女はいきなり叫びだした。
「ふざけるな!!ヘマをしたのはあなたよ・・・?どうして私も逃げなくちゅいけないの?!私はこいつらにたんまり仕返しをしてやらないといけないの!!!」
そう言うと、ゼンたちを睨みつけた。それでも無線は続けられた。どうやら、仲間がミスを起こし、そのせいでこの女も逃げなくてはいけなくなったようだ。
あきらめたのか、女は耳から手を離すと、ゼンたちに向き直った。
「・・・仕方ないわ。今回だけは見過ごしてあげる。・・・だけど、私に傷を付けた。お姫様とお前は絶対殺す・・・!覚えておいてね・・・?」
そう言って、女は手振って歩きだした。途中で、あっと言って振り向いて、私の名前はマリーナ、と言って立ち去った。少しの沈黙がおとずれた。
最初に言葉を発したのはゼンだった。
「逃げましょう。」
「はい?」
いきなりのその言葉に、シンナテルカは全然意味が分からなかった。逃げる?にげる・・・。シンナテルカには、危険が去っていったいま、どうして逃げるのか分からなかった。
その後、ゼンは理由を付けくわえた。
「もし、いえ。絶対あの女はあなたの命を狙ってまた城にくるでしょう。その前に僕といっしょに逃げましょう。」
「どうして?ゼンと一緒に?」
シンナテルカはゼンに疑問を投げかけた。
「どうしてゼンは私と一緒に逃げるんですか?」
どうしてって・・・、とゼンはあきれたようにつぶやき、ゼンはシンナテルカの肩を掴み、向きなおした。
「僕もねらわれているから、ということもありますが・・・、今度こそ、あなたを守ってみせます!!」
シンナテルカは驚いて目を丸くした。そして、じょじょに笑みえと変わっていった。シンナテルカはゼンの手を握ると
「その言葉だけで私は守られますがよろしくお願いします!」
2人はうなずくと、ゼンの部屋をいそいで出た。