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ミムロ コトナリ
ミムロ コトナリ
novelistID. 12426
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くれなずむ <その2.対決!野球部>

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 翌日の放課後。北校舎3階、生徒会室。
生徒会の業務がない日、そこは生徒会役員たちの放課後の溜まり場もとい、ダベリ場と化す。
部屋の長机の中央に、パイプ椅子に腰掛け書類仕事をしている女子生徒の姿があった。
シャツの肩章の数からして2年生とわかる。
 背中の中ほどまでに延ばしたさらりとした黒髪の見目麗しい貞淑な少女。
少女は、耳にヘッドセットを掛け携帯メモリープレーヤーの音量を最大にあげて、
音楽鑑賞に興じつつ書類にペンを走らせていた。

 プレイヤーから流れる音楽は、容姿端麗なこの少女の外見には
お世辞にも相応しくないものだった。
 少々下品な物言いの歌詞が乱舞するローカルでニッチなジャンル。
デスメタルだった。
ボリュームを最大にしているせいで、ヘッドフォンから音がぶつ切りになって漏れている。

 そんなデスメタ好きの少女の名は、望月 ミノル(もちづき ミノル)。
この学校の生徒会長、その人だった。
容姿端麗、文武両道、才色兼備、人当たりもよく人望も厚い。
言葉づかいは端々に威厳が感じられ、やや時代がかっているきらいがある。
その言葉遣いと、麗かで憂いある容姿のおかげで女子生徒からの人気を一心に集めていた。
 生徒会室で、プレーヤーに収録したお気に入りの曲を聴きながら、
生徒会の事務仕事をするのが彼女の放課後のひそかな楽しみだった。
このときこそ彼女が最も安堵すると同時にリラックスでき、
心落ち着かせられる一時でもあった。
まぁ、デスメタでリラックスとか、どうかとも思うが。

 「こんにちはー」
元気の良い挨拶をして、一人の少女が生徒会室に入ってきた。
昨日、野球部副部長の真田 京助の顔面にボールを叩き込み、
討ち倒した(?)一年の女子生徒、
我らがにょろり、ヰ月 紅麗奈であった。
クラス委員であるクレナは、生徒会の仕事に従事しており生徒会室に出入りができる立場だった。