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私のやんごとなき王子様 三島編

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「はい! 会場は右手奥になっております!」

 星越学園の演劇祭はマスコミ関係者も含め、とても注目されている。まして今年はあの風名玲君と桜亜里沙嬢のW主演という事もあり、その注目度は例年以上だ。

 ひっきりなしに訪れる観客達に混乱が起きないよう、私達実行委員は舞台の始まる直前まで、学園中を奔走していた。

 開演直前となり私は会場となるホールへと回って来ていた。 
 学園内に併設されているこの演劇場は、休日には海外のバレエ団や交響楽団なんかが来て使う事もある本格的な劇場だ。
 もちろん学園所有の物で、建設を進めたのは理事長らしい。
 客席は全部で1000席もあるなかなか大きな劇場だ。

 インカムから三島君の合図が入ると、会場の扉は閉められ光を遮断された空間には闇が広がっていった。
 全ての扉が閉められた時、隣にはちょうど三島君が立っていた。

「お疲れ様、なんとか無事に始まりそうだな」
「うん」

 小さくそう受け答えしていたまさにその時、


 ブーーーーーーーッ


 開演を知らせるブザーが辺りに響き渡った。

 闇の中を舞台に向って閃光が走る。

 いよいよ始まるんだ。

 自分が役者と言うわけでもないのに、妙に緊張してくる。

 高校生活最後の演劇祭――どうか成功しますように!