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私のやんごとなき王子様 三島編

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「少し確認しておきたい事があるんです。午前中に演劇担当者と話してきたんですが、その事で……」
「そうか、分かった」

 リフレッシュ目的で海に来たのに、なんでそんな事を今確認するのよ〜〜、と少しだけ私はむくれてしまった。

「小日向君、すまない。少し宿舎へ戻ってくる」
「あ、うん。御苦労さまっ」

 私の表情に気づいた三島君が、こちらに向ってすまなそうに声をかけてくれる。

「それじゃ小日向先輩、失礼します」

 水原さんも礼儀正しく私に向って一礼をしてくれた――んだけど、なぜかその声に少しだけ棘のような物を感じた。気のせいかな?


 宿舎に向って去っていく二人を見ていると、心の奥底で何かがザワザワと静かに騒いだ。


「小日向せんぱーい! こっちに来て一緒にビーチバレーでもしませんかー?」

 少し離れた所からかかったその声に瞬間はっとし、私は大きく手を振り答えた。
 二人の事は少しだけ気になっちゃうけど、今はしっかりリフレッシュしよう!


 そう思うと私は、砂浜を踏みしめ駆け出した。