私のやんごとなき王子様 風名編
告白される事なんてきっと慣れてるだろう風名君は、相手を傷付けないで済む方法をきっとすごく考えるんだと思う。だから、亜里沙様には亜里沙様にとって一番いい返事の仕方があれだったのかも知れない。
風名君と亜里沙様の二人を傷付けてしまった私はなんて浅はかなんだろう。
「明日で合宿も最後だから、頑張ろうな」
優しくそう言ってくれた風名君の言葉に、私は無言で頷いた。
一緒に見た花火はすごく綺麗で、目を閉じると風名君が利根君みたいだって言っていたあの花火が浮かんで来る。だけど、その花火の向こうに亜里沙様の顔も浮かんで来て、切なくなった。
作品名:私のやんごとなき王子様 風名編 作家名:有馬音文