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司令官は名古屋嬢 第2話 『大晦日の群像劇』

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第11章 彼女の答え



 しばらくして、山口は通信を終えると、懐からポケットウィスキーを取り出し、ちびりと少しだけ飲む。
 そのとき彼は、近くのパイプ机の上に、「山口さんへ」と丸っこい字で書かれた手紙が置いてあるのを見つけた。その文字に見覚えが彼は、すぐに手紙を手に取り、中身を黙読し始めた。

『守山です。よく考えましたが、あの転勤のお話は辞退させていただきます。気に入らないのなら、すぐに辞表を提出します。辞退の理由は、あなたやCROSSが嫌いなわけではなく、ただ、もう少し大須さんや仲間と時間を過ごしたいからです。短い文章ですが、これにて失礼いたします』

 彼は、守山からの手紙をポケットにしまうと、メモ用紙を1枚ポケットから取り出し、

『わかったよ、笹百合。おまえなら心配無いと思うけど、しっかりと今の仕事をしてくれ。山口より』

それだけ書くと、ソファで寝ている守山の近くにそっと置く。彼女は静かに眠っていた。

 ……普通の小説の登場人物なら、手紙を置いたら静かにその場を立ち去るものだろうが、彼は違った……。なんと、すぐ近くのパソコンを使い、堂々とインターネットをやり始めたのだ……。



   【第2話 終わり】