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司令官は名古屋嬢 第2話 『大晦日の群像劇』

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第8章 大空に轟く悲鳴



「ウワァァァァァ!!!!!!」ヽ(`Д´)ノ

 ……その叫び声の主は、上空を高く飛ぶ戦闘機に乗っていた。叫び声の主は、操縦席に座っている上社だった。戦闘機に乗っているのは彼一人で、その戦闘機はコンピューター制御の無人機だった。

「も、もっと優しくしてください!!!」
場所が違えば卑猥に聞こえるようなことを、上社はひたすら戦闘機に向かって叫んでいた……。
『何を言っているんです、少尉殿! まだまだこれからですよ!』
戦闘機はそう言うと、機体をぐるぐる回転させ始めた。
「アッーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
戦闘機は上空を高速で、上下左右に激しく回転しながら飛び続けた……。

「も、もうダメ……」
上社は口を覆っている呼吸器を少しだけずらし、口を両手で押さえた……。
 しかし、そこで戦闘機はおだやかな水平飛行になった。上社はほっとした様子で呼吸器を元の位置に戻し、両手をひざの上に置いた。
『……上社少尉殿、任務です!』
そう戦闘機は言うと、再び高速になり、一直線に飛び始めた。上社は、Gでシートにぐいっと押さえつけられた……。
「ちょ、ちょっと!!! どこに行くんです!!!」
『名古屋市内の栄です! 敵を排除せよとのことです!』
「敵勢力?」
『はい! 1体ですが苦戦しているとのことです。』
「栄には大須さんがいるはずだけど大丈夫かな……」
『司令官が危険な身にあるかもしれないのですね!? では、大急ぎで向かいます!』
「え?」
次の瞬間、戦闘機のエンジンの排気口から炎が飛び出す。その炎は、立派なアフターバーナーだった。そして、戦闘機はさらにスピードを上げた。上社はシートに、さらに強く押さえつけられる。強烈なGだ。
「らめぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
その悲痛かつ間抜けな叫び声は、空に響き渡った……。