小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

み・え・る…

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

「チコ。写真とって。これが四時婆の正体だって」
「うん」
 わたしは携帯を天井に向けて、何枚か写真を撮った。
「じゃあ、帰ろうか」
 わたしが先頭になって講堂から出るときだった。
「きゃ」
 一番後ろにいたミサちゃんが悲鳴をあげた。「どうしたの?」
「誰かが。肩をたたいたの」
 わたしたちは顔を見合わせた。それからゆっくり回りをみまわした。
 だれもいない。
「はやく、でよう」
 アキちゃんが駆けだした。と同時にサッコも駆けだしたので、二人がぶつかって、もつれるように倒れた。
「いたた」
「だいじょうぶ? ふたりとも」
 わたしは、サッコの手をひき、ミサちゃんがアキちゃんの手を引いて起きあがらせると、いっしょに外に出た。
「ふう、いい空気ね」
 ほっとしたわたしたちは、深呼吸した。
 撮った写真を見てみたら、古ぼけた染みだらけの、ただの天井しか写っていなかったので、削除しちゃった。
「な〜んだ。つまんない」
 
 次の日、学校へ行くと、三人ともお休みだって。先生は、三人がけがをしたというの。
 わたしは一日中、落ち着かなくて、放課後になると、学校を飛び出して、真っ先に、一番近いサッコの家に行った。
「捻挫しちゃったの。アキちゃんといっしょに転んだときよね」
 サッコの家からアキちゃんちに電話をすると、やっぱりアキちゃんも捻挫をしていた。
 ふたりの話を聞いて、わたしは少しほっとしたの。
 だって、たたりとかだったらいやでしょ。
「じゃあ、ミサちゃんは」
 ミサちゃんに電話をすると、肩が腫れて腕があがらないっていう。
 それも、昨日、あの場所で、誰かにたたかれた肩だって。
 わたしはそのとき初めて、ぞっとした。
 ミサちゃんはお医者さんにいって治療してもらったら、だいぶよくなったって言ったので、わたしは安心した。
「でも、もう二度と行かない」
 ミサちゃんは何かを感じたみたいだった。
 
 わたしにはなにも起きないので、霊感が弱くてよかった、なんて気楽に構えていたの。
 夜、お姉ちゃんが血相替えて、わたしの部屋に入ってきた。
「チコ、なによ、これ」
 怒って携帯をつきだしてきた。
「なにって、昨日とったのは削除し…」
 わたしはのぞいてみて、まるで水をかけられたようにぞっとした。
 画面一杯に青白いおばあさんの顔が写っている。
作品名:み・え・る… 作家名:せき あゆみ