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勇者と魔王の決意 リメイク版

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       自分で取り返しに行くよ!」
   勇者は、美女に気配がばれないように近づいた。

 勇者エデン「あのぅ、財布を返してください・・・
       あれがないと旅をするのに困るんですよ。」

 美女「ごめんなさい旅人さん!
    父の病気を治すには、お金が必要だったのよ・・・
    だから盗んでしまったのよ!
    こんな私を哀れむのならお金を・・・
    恵んでちょうだい!」
   美女は涙を流しながら勇者に懇願した。

 勇者エデン「・・・そういうことならあげますよ。
       1万フォルで足りるか分からないけど・・・
       君のお父さんの病気が治るといいね。」
    勇者は美女が嘘をついてないと思い、
    所持金を全て渡してしまった。

美女「ありがとう!」
    美女は礼を言って走り去った。
    その様子を見ていたレオンと
    イリアが勇者のいる場所に
    走って来た。
 剣士レオン「おいっ!何をしている!
       あの娘から、貴様の所持金を
       全て取り戻したのか?」

    勇者は、なるべくレオンを
    怒らせないように言い訳した。
 剣士レオン「もし嘘だったらどうするんだ!
       貴様は、お人よしすぎる・・・」

 イリア「エデン様はお優しいですね。
     でも、人を信用しすぎても危険ですよ。」

 勇者エデン「あれ?スカルさんがいないけど・・・
       どこへ行ったの?」

 剣士レオン「スカル様は、あの美女を怪しんでいた・・・
       きっとあの美女の後を追っているはずだ。」

    スカルは、レオンの言葉どおり
    慌ててどこかへ向かう美女を追っていた。
    美女は、黒いローブを着た人物に財布を見せていた。
    黒いローブの人物は女だった。
    その顔半分に包帯が巻かれている。
 美女「凄いでしょミリア。
    これで死んだ父が甦るわ!」

 ミリア「アイス・・・
     旅の人をまた騙してお金を奪ったのね。
     そんなことをしても・・・
     あなたの父は甦らないわよ。」

 アイス「そんなはずがないわ!
     あの方にお金を献上すれば・・・
     死んだ人を生き返らしてくれるんでしょ?」

 ミリア「私たちは騙されたのよ・・・
     あの女は人じゃない!
     お金に支配されたモンスターよ。
     だから、死んだ人を甦らせる力なんて
     持ってないわよ・・・」
   ミリアは顔は悔しげな表情だ。

 アイス「・・・それが本当なのか聞いてくるわ!」
    アイスはカジノに走って行った。
    その後ろ姿を見ながら、
    ミリアはため息をついた。
    
 スカル「お尋ねしていいか・・・
     さっきの話について詳しく聞きたいんだが。」

 ミリア「・・・この町のカジノを支配する
     マール・フェレスが・・・
     自分にお金を献上した人は、
     死んだ人を甦らせてやるって言ったの・・・」
    ミリアは、怯えるように話しはじめた。

 ミリア「私は、あの女の影から
     悪魔が出てくるのを見たの。
     それを見た後に・・・
     私の顔が火傷したみたいになって・・・・
     悪魔がきっと人間に化けてるのよ!」
         
 スカル「・・・見た者に呪いをかけて・・・
     その者を殺す悪魔かもな。
     安心しろ、奴を倒せばその火傷は治る。」

 ミリア「・・・お願いします勇者様!
     アイスを助けてあげて・・・
     あの女に殺される前に!」

    スカルは急いでカジノへ向かった。
    アイスがカジノの地下二階にある
    鍵がかかっている大きな扉の前にいた。
 スカル「待て!一人じゃ危険だ!
     君が死んだらミリアは悲しむ・・・」

 アイス「私が心配で人に助けを求めたようね・・・
     いいわ、足手まといにならない
     ように付いてきて!」

    鍵をかかった扉が重い音を立てて、
    二人を招き入れるように開いた。
 マール「今日は珍しく連れがいるのね・・・
     約束のお金は持って来たの?」
     豪華な黒いドレスを着た
     30代くらいの長い紫の髪の女が
     赤い椅子に座っていた。

 アイス「あなたにお金を渡しても、
     死者は帰って来ないんでしょ?
     あなたには、悪魔が憑いている・・・
     ミリアが見たのよ・・・
     あなたの正体を!」

 マール「あの娘か・・・
     生かしておこうとした私が甘かった。
     ばれたなら隠す必要がないな。
     我は、悪魔ギリアードだ。」
    マールの影から悪魔が現れた。
    青いローブを身にまとった白い悪魔が、
    緑の瞳で二人を睨んでいる。

 アイス「私たちをよくも騙したわね!
     悪魔ギリアード、あなたのせいで・・・
     この町は金に支配された町になった。
     絶対に許さないわ!」

 ギリアード「我に金を払えば、
       死者を甦らせてやると言っただけで・・・
       人は金に支配された。
       その金が、魔族を強化させる
       武器を作るために使われていると
       知らずにな。
       そして、人は金の欲にとり憑かれた。」
    ギリアードは、含み笑いをしながら
    二人の方を見ている。

  アイス「それが目的だったのね。
      あなたを倒してこの町を元に戻すわ!
     かつては、黄金の町と呼ばれていた町に・・・」
     アイスは、ギリアードを氷の刃で切り裂いた。
     しかし、ギリアードには効かなかった!
  ギリアード「悪魔に人間の攻撃は効かん。
        無駄なことだ!」

  スカル「アイス、今の攻撃と私の魔法を合わせるぞ。」

  アイス「無駄よ!
      あなたの攻撃も効かないかもしれないわ・・・」

  スカル「試してみないと分からないだろ?」

     アイスは無言で頷いて、
     ギリアードに氷の刃で切り裂いた。
     スカルが地獄の業火を呼び寄せた。
     二つの攻撃が混ざり合い、
     ギリアードに300ダメージ与えた!
 ギリアード「馬鹿な!氷と炎が混ざるなどありえん!
        お前は勇者なのか?
        この私を傷つけるとは・・・」

     さっきまで、余裕の態度だった
     ギリアードが焦っている。
 ギリアード「この事をあの方に報告せねば!」
     ギリアードが姿を消す呪文を唱えようとしたら、
     悪魔の目の前に死神の鎌が現れ、
     その死神の鎌が悪魔の心臓を突き刺した。
 ギリアード「ぐおおおおお~・・・・・様!
       何故、こんなまねを・・・」