勇者と魔王の決意 リメイク版
スカルさんって、外の世界のことを勘違いしてない?
そういえば、聞くのを忘れてたけど・・・
どうして、この城にいたの?」
スカルは考え込む表情で
スカル「それが、私にも分からないんだ・・・
でも、これだけは覚えてる。
君を探して、魔王と勇者の闘いを
終結させる目的だけは・・・」
もしかして記憶喪失?
でも、目的だけは忘れないなんてありえる事か?
全てのことを忘れるのが記憶喪失じゃないのか?
今は、そんなこと考えてもしょうがないか!
魔物に怯える人々の為に・・・
魔王征伐を早く終わらせないと。
魔物は怖いけど・・・
勇者エデン「とりあえず、城の外に出て北の村に行こう!
スカルさん!」
勇者とスカルは外に出た。
二人を待ち構えていたように魔物の群れが襲ってきた!
8匹も現れた蛇の魔物の群れに、勇者は腰を抜かした。
勇者エデン「ひぃ!俺は、蛇が嫌いなのに・・・
あっちに行ってくれよ!」
スカル「情けないな勇者殿。
スネークポイズンにびびっていては、
魔王は倒せない。」
スカルが、右手に持った剣を横に振り、
スネークポイズンの群れをあっという間に倒した。
俺は情けないな・・・
スカルさんの方が勇者みたいだ。
スカル「弱点は克服した方がいい。
また蛇の魔物が現れるかもしれん・・・
それに、旅のお金を貯めるために
魔物を倒さないとな。」
お金か・・・
確かに、武器や防具や回復アイテムに宿屋・・・
お金が必要だよ。
勇者の子孫はタダだったらいいのに・・・
蛇の群れを8匹倒したのに150ファル。
レベルは上がったけど・・・
でも、苦手を克服しておくか。
そうしないと勇者の子孫らしくないから・・・
勇者は、草むらで這い回る蛇の
魔物の群れが現れてもなんとか気合で倒した。
その顔は少し青白かったが、
腰は抜かしてなかった。
やれば出来るな・・・
さすがは勇者だ。
勇者の背中を見ながら、
スカルはそう思った。
勇者とスカルは貯めたお金で
北の村で武器や防具や回復アイテムを買うことにした。
村の娘たちが勇者たちの方を見つめて、
ひそひそと何かを話し合っている。
茶髪の娘「金髪のあの人は勇者かしら?
立派な鎧だからどこかの国の王子様かも・・・」
緑の髪の娘「隣にいる茶髪の少年は彼の家来じゃないの?」
黒髪の娘「彼らは、記憶を失くした人を救いに来たんだわ!
きっと金髪の人が勇者よ。
茶髪の少年は勇者の仲間かも?
あの人が私を思い出してくれるかも・・・」
二人は噂になってるのを気づかずに、
娘たちの手前を通り過ぎた。
二人は情報収集するために、
町の老人に話しかけた。
老人「ようこそ記憶なき村へ。
旅人たちよ、この村の北には行かないほうが良いぞ。
自分の記憶を奪われた者たちが、
北に行った冒険者だからの・・・」
老人は悲しげな表情で北を見つめている。
老人「わしの孫が、度胸試しで北にある崖の道へ行った・・・
その場所から帰ってきたら、
わしのことを忘れてしまったんじゃ。
悲しいのぅ・・・
崖に何か原因があるはずじゃが・・・
誰もそのことを調べに行く者がおらん。
無理もないのぅ・・・
誰だって、記憶を失うことが怖いんじゃろうし・・・」
老人は深いため息をついた。
勇者エデン「おじいさん・・・俺たちが原因を調べます。
だから安心してください。」
そう言った勇者の顔は、
魔物に腰を抜かしていたとは
思えないほどの勇ましい表情だ。
老人「行くなと言っても行きそうじゃな・・・
だったらこれを持っていけ。」
老人は勇者に回復薬を渡した。
勇者は回復薬ヒーリング五個を手に入れた。
勇者「ありがとう。おじいさん。
では行って来ます!」
勇者は笑顔で手を振りながら
老人に別れの挨拶をした。
勇者はスカルと共に武器屋へ向かった。
勇者「崖にいる魔物は強そうだから
武器と防具を買っておかないと・・・」
店に入ってきた勇者たちを見て、
武器屋のいかつい大男が
だみ声でこう言った。
武器屋の男「いらっしゃい!お客さん。
このメニューの中から好きな武器を選びな!
俺は記憶がないけど商売するぜ!」
勇者はカウンターに置かれたメニューを見た。
「武器屋 ゴルソン」
『ナイフ 50ファル 攻撃力45』 『獅子のソード 100ファル 攻撃力60』
『牛のブーメラン 400ファル 攻撃力65』 『血の斧 600ファル 攻撃力70』
勇者の所持金:810ファル
とりあえず勇者は獅子のソードを買った。
武器屋の男「ありがとよ。他にも何か買うかね?」
勇者エデン「スカルさんも何か買う?」
スカル「私にはこの剣があるから大丈夫だ。」
次に勇者たちは武器屋の隣にある
防具屋へ向かった。
愛想が良さそうな太った店主が、
店に入って来た勇者たちに
微笑んでこう言った。
防具屋の男「いらっしゃいませ。お客様!
どうぞお好きな防具を
メニューからお選びください。」
勇者はカウンターに置かれたメニューを見た。
「防具屋 ギール」
『黒のTシャツ 100ファル 防御力30』
『ビジネススーツ 300ファル 防御力25』
『ナイトアーマ 500ファル 防御力50』
勇者はとりあえずナイトアーマを買った。
所持金が210ファルになった。
防具屋の男「ありがとうございます。
他に何かお買い上げいたしますか?」
スカルは興味がないような表情で、
店の外へ出て行った。
勇者「どうしたのスカルさん?何も買わなかったけど・・・」
スカル「勇者殿。私が装備しているのは、
フランベルジェの剣は攻撃力70。
魔の鎧は防御力85。
私のレベルは10だけど問題ないさ。」
フランベルジェとは、刀身が波立つ剣の総称である。
主に片手剣の場合を示す。
刀身の揺らめきが炎のように見える為、
フランス語の炎を意味するフランバワヤンに
ちなんでこの名前がついた。
殺傷能力が高く、治りづらい傷を作る為、
「死よりも苦痛を与える剣」として知られている。
勇者たちは宿屋で一休みすることにした。
北の崖の道へ向かうために・・・
果たして、彼らは記憶を失う原因を調べて
作品名:勇者と魔王の決意 リメイク版 作家名:マサトシ