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　時として人は救世主にも成り得る。イイ例がイエス＝キリストだ。彼は自らを神の使いとしてその教えを説き、様々な者を救ったと言う。その死に際は実に綺麗で、すべての罪を背負って死を迎えるなど到底『人間』には出来ない所業だ。そっと、退屈を噛み潰してナイフを取った。月の亡い夜ですら輝いたように観得るそれは、おそらく『恐怖』を生み出すに相応しいのだろう。突然の侵入者に戸惑うのは至極当たり前のことであり、けれどこちらからすれば当事者をよく理解しすぎていた。瞠った瞳に映るのはやはり、畏れ。