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ブラッディーネーブル-僕の小屋-

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何がなんだかわからない"漠然とした何か"に対する恐れはあったが、不安はそれ程感じられなかった。
ただただ生きる、という意志だけで活動していたからか何かに駆り立てられる事もない。

「15日、か」

僕はここへ来てから経過した日数をきちんと頭の中で把握しておく事にした。
それが漠然とした何かに対する恐れを緩和する為なのかは分からないが、それでもそうしたのは何か区切りがないと生理的に、どうにも落ち着かなかったからだ。
朝目覚めると同時にそう呟やき、錆びれた裸電球に視線を移したのと同時に彼女がノックもせずに小屋の中へ入ってきた。

「……ノックくらいしようよ」

「ごめんごめん。寝てたら悪いかなって思ったんだけど、起きてたんだね」

「ま、いいけどさ」

ちょっとふてくされたように言う僕に「ご飯作るから待っててね」と彼女はいそいそと朝食の支度を始める。
大して悪いと思ってないなこいつは、と思いながら彼女の後ろ姿を横目で見ながら通り過ぎ小屋から出た。
青々と茂った草とその周りを囲む木々、脳天を射す太陽に少し眩暈を起こしたけど清々しい朝(というより昼、なのかも)に思いっきり体を伸ばす。

しかし、ずっと思ってはいたがここの生活に不安は無いが本当に何もないし退屈で退屈で仕方がないので唯一それが不安、というか不満だった。
何か楽しい事はないだろうかとその場に腰をおろすが何も思い浮かばない。
例えば彼女に手を出してみようか、とかそういう事を思わない訳では無かったけれど何故だか今の僕にはそんな事出来ない気がして。
でもやるか、やらないかと頭を巡らせていた。

「ちょっとーご飯出来たよ?食べないの?」

後ろから突然聞こえてきた声に驚いて振り向き、僕はそんな必要無いのに取り繕うように笑った。後ろめたい事を考えてたからそうなってしまうのは当たり前なんだけど。
僕は巡っていた頭の中の考えを振り切るように、彼女の後姿をあまり直視しないようにして小屋の中へと戻っていった。