ブラッディーネーブル-僕の小屋-
プロローグ
聞いた事の無い声が脳内に響く。
聞き覚えは全く無いが、相手は自分を知っている風だった。
けれどぼんやりとした頭でいたせいか、何を言っていたか全く思いだせない。
一体何なのだろう、と考えていると急に瞼の裏が熱くなっていった。
無理やりにこじあけてみると、そこには見たこともない木造の小さな小屋が目前に広がっていた。
「ここは・・・」
小さな声でポツリと漏らしたが、それは力なく木造の部屋にするりと吸収されていってしまい、心細さに拍車をかける。
思考は完全にストップし、小屋の中央にある裸電球が揺れる中、僕は暫く途方もなく視線を泳がせていた。
作品名:ブラッディーネーブル-僕の小屋- 作家名:若'