詰めの一手・解決編
仕方ないですね、と『打たず』は前屈みになりながら一緒に見ましょう、と言った。そして、ページをめくり、
「15ページの、そうそう。この七古徒学園組織図です」
おでこがくっ付きそうな距離で、手のひらサイズの生徒手帳を見る。生徒会をトップに、その直ぐ下に生徒会執行部、その下に各委員会の名前が並列に並ぶ。おまけみたいに欄外にちょこんと、各部部長の文字が書いてある。
「これがどうしたの?」
「いいですか? この組織図に代理実行局の名前はないんです」
だから?
「だからですね、代理実行局は学校側は未だに公認組織として扱ってないんです」
欄外を指し示す。そこには、各部部長の文字がちょこん、と書いてある。全然思考が追いつかない。また、強調するように、だ・か・ら、と一音づつ区切って、
「代理実行局は非公認組織なんです」
組織図に書いてないのだから、そうなのだろう。うん。
残りの黄身時雨を口に放り込む。やはり甘い。もぐもぐと、咀嚼しながら時間を稼ぐ。
非公認組織だったからなんなのだ?