少女機械人形コーパス 第一幕
<背景武器開発室>
同日
午後01時15分
コーパス 武器開発室
ウィィィン
<SE扉開閉音>
木左木
「お疲れ様です! 左文字参謀長、巳上主任」
左文字
「うぃっす。で、どーだ?」
木左木
「順調に来てますよ。ただ、完成にはもう少し時間がかかりますけど」
巳上
「これが設計図ね」
木左木
「はいっ!」
左文字
「優先されて作られてるのはこっちだな。この火炎放射器みたいな方だ」
巳上
「フラマー兵器・デーケルターレ専用火炎放射器……バックパック式ね」
木左木
「はい。何でもヴィロネカートの細胞は完全に殲滅しない限りは、すぐにまた再生されてしまうみたいなんです」
左文字
「そこで大地ごと焼き尽くす作戦に出たわけだよ、我らが総司令は」
巳上
「どうせ腐敗した大地。今更焼き尽くした所で差異は無い……という事ね」
左文字
「そうなるな」
巳上
「でも、炎で完全に殲滅出来るものかしら」
左文字
「さて……。だがヴィロネカートを相手にした人間の選択肢は、そう多くはないだろ」
巳上
「確かにね。手段なんか選んでられないのかもしれないわ」
木左木
「で、どうでしょう? デーケルターレの負担の少ないように設計したつもりなんですが……」
巳上
「ん――うん、問題無いと思うわ。シリンダーは3本ね」
木左木
「はい。可燃性液体を2本と圧搾ガスが1本です。ヴィロネカートを殲滅するとなると、最低でも1本分は当てなければならないと思いますので……」
左文字
「チャンスは2回か」
巳上
「燃料が切れたら終わりね」
左文字
「ああ。それにこの手のタイプは射程も短いからな」
巳上
「危険性も高い、と」
左文字
「その辺りを踏まえて、パイロットには徹底した訓練を積ませる予定だ。――早く決着付けたいしな」
巳上
「そうね。ジョエルにも七々原くんにも、これ以上傷ついて欲しくないもの」
左文字
「ああ、本当にそう思う」
木左木
「武器開発科のスタッフ総出で作業に取り掛かってます。一刻も早く完成させます」
左文字
「よろしく頼む」
作品名:少女機械人形コーパス 第一幕 作家名:有馬音文